研究課題/領域番号 |
09556017
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
加藤 暢夫 京都大学, 大学院・農学研究科, 教授 (50026556)
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研究分担者 |
上野山 晴三 株式会社 京都第一科学, 基盤研究所, 所長
由里本 博也 京都大学, 大学院・農学研究科, 助手 (00283648)
阪井 康能 京都大学, 大学院・農学研究科, 助教授 (60202082)
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キーワード | アルブミン / ヘモグロビン / 異種遺伝子発現系 / 糖化アミノ酸オキシダーゼ / 糖尿病診断 / メタノール資化性酵母 |
研究概要 |
1)糖化タンパク質を断片化するプロテアーゼの性質と大量調製:ヘモグロビンを単一炭素源、窒素源として生育する細菌に見出したプロテアーゼの1種を得た。ヒト型ヘモグロビンを本プロテアーゼで処理したのちに、HPLCによって分析した結果、糖化バリンが遊離していること、および、この前処理液にフルクトシルアミノ酸オキシダーゼを作用させることによって相当する発色が得られることをそれぞれ確認した。これは、ヘモグロビンβ鎖のN-末端バリンをそれが糖化したままで切断することができることを意味し、糖化ヘモグロビンの定量に有効であることを示すものである。さらに、天然培地で生育した菌体をヘモグロビンとインキュベートすることによって著量の蓄積を可能にし、イオン交換クロマトグラフィーによって精製酵素を得ることができた。 3)糖化アミノ酸オキシダーゼのクローニングと大量発現:これまで、4種の糸状菌の酵素遺伝子をクローニングし、推定一次構造と大腸菌およびメタノール資化性酵母での大量発現を可能にしているが、新たに、Trichosporon属酵母由来の酵素遺伝子をクローニングし、これを形質転換した大腸菌で本酵素を大量に調製できた。 4)臨床分析方法の確立:これまで得られた5種の酵素の基質特異性を勘案し、糖化タンパク質としてヘモグロビンとアルブミンを対象として臨床分析法の検討した。その結果、上述のようにプロテアーゼを前処理として作用させればヘモグロビンを特異的に測定することが可能であることに加えて、ヘモグロビンもリジンのε-アミノ基が糖化されている事実に則って、プロナーゼなどの既存のプロテアーゼを用いることによっても測定が可能であることを明らかにした。
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