研究課題/領域番号 |
09556019
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研究機関 | 東京薬科大学 |
研究代表者 |
山形 秀夫 東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20023468)
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研究分担者 |
太田 敏博 東京薬科大学, 生命科学部, 助教授 (10266893)
岩佐 進 武田薬品工業(株), DDS研究所, 主席研究員
鵜高 重三 東京農業大学, 農学部, 教授 (70023463)
小島 正樹 東京薬科大学, 生命科学部, 助手 (90277252)
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キーワード | Bacillus brevis / Fab / 分泌ベクター / eryptic plasmid / 単鎖抗体 |
研究概要 |
73個および83個のアミノ酸からなるリンカーペプチドにより連結された単鎖Fab遺伝子を作製し、Bacillus brevisにおいて発現させた。これらの遺伝子の発現効率はほぼ等しく(200mg/l)、前年度に作製した63個のアミノ酸からなるリンカーペプチドにより連結された単鎖Fab遺伝子の発現効率の約2倍であった。この結果より、単鎖FabをB.brevisにおいて効率よく発現させるために必要なリンカーペプチドの長さは70〜80アミノ酸であると考えられる。B.brevisに見いだされたコピー数が低いクリプティクプラスミドであるpWT481を用いて新しい高効率抗体発現ベクターを構築するため、その構造と機能の解析を前年度に引き続き行った。見いだされたORFを欠失させて解析した結果、ORF3は宿主菌の増殖定常期における生存率を高める機能を持つことが明らかとなった。ORF3はこの機能を付与することにより、宿主菌において安定に維持されていると考えられる。またORF2の欠失はプラスミド安定性および宿主増殖能、生存能に影響を与えないことも明らかとなった。現在、ORF2欠失プラスミドを用いて作製した発現・分泌ベクターによるFabの生産を試みつつある。様々な欠失を導入したCH1ドメインの前半部cDNAをBacillus licheniformisのα-アミラーゼ(BLA)遺伝子の上流に融合させ、B.brevisで発現させた。培養液中に分泌された遺伝子産物の定量を抗BLA抗体を用いたウェスタンブロット法により行った結果、CH1ドメインN-末端の4つの残基の中にB.brevisにおける発現あるいは分泌を阻害するアミノ酸残基が含まれていることが示唆された。
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