研究課題/領域番号 |
09556023
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
池田 篤治 京都大学, 農学研究科, 教授 (40026422)
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研究分担者 |
上田 輝久 島津製作所, 研究開発部, 課長(研究員)
加納 健司 京都大学, 農学研究科, 助教授 (10152828)
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キーワード | バイオ電池 / ヒドロゲナーゼ / 硫酸還元菌 / メチルビオローゲン / 硫酸菌 / 鉄硫黄細菌 / ヘキサシアン鉄酸イオン / ビタミンK_3 |
研究概要 |
硫酸還元菌のヒドロゲナーゼ活性について、前年の成果をふまえた基礎解析を完成。グラシーカーボン電極の表面に半透過性膜で硫酸還元菌をトラップした生菌固定電極を用いて電気化学測定を行なった。この電極は、水素飽和のメチルビオローゲン(MV)溶液中で水素の電気化学的消費反応、発生反応の両方向の電気化学反応を行う能力があることがわかった。反応の詳しい解析によって、電流電圧曲線はみかけ上、水素の可逆酸化還元反応に対応するものであることを明らかにした。ここで、メチルビオローゲンは電極と微生物内ヒドロゲナーゼとの反応の電子伝達メディエータとして機能しており、このような可逆性は、メチルビオローゲンと水素の両者の酸化還元電位が、近接していることが大きな因子になっていることを、熱力学的考察から明らかにした。また、硫酸還元菌の懸濁液を用いて、裸のグラシーカーボン電極で菌触媒水素ガス発生の速度論解析を行った。その結果、溶液のpHが8.5と水素イオン濃度が大変低い条件下においても水素発生が起こり、硫酸還元菌が大変高いヒドロゲナーゼ活性をしめすことが分かった。酵素ヒドロゲナーゼは菌体内に存在するにも関わらず、酵素とメチルビオローゲンとの反応は拡散律速であることが明らかになった。以上の実験から硫酸還元菌は電気化学水素発生消費反応の効率よい触媒として大変有望であることが分かった。次に、菌を大量にトラップできる電極として、カーボンフェルトを電極基材として選び、Fe(CN)_6^<3->/Fe(CN)_6^<4->系を用いてその電気化学基本特性を明らかにした。
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