研究課題/領域番号 |
09556050
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
桑原 孝雄 大阪府立大学, 農学部, 教授 (70081528)
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研究分担者 |
木全 卓 大阪府立大学, 農学部, 講師 (60254439)
小山 修平 大阪府立大学, 農学部, 教授 (00112540)
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キーワード | 溜池 / 多面的活用 / 環境整備 / 堤体安定性 / ビジュアルデータベース / 景観シミュレーション / GIS / ビオトープ |
研究概要 |
本年度は、溜池の持っている身近なビオトープおよび史跡を含めた豊かな景観等の基本的な可能性を探るために、対象とする現況の溜池(大阪府堺市内の約10箇所)を航空写真および地形図(国土地理院発行50mメッシュ数値地図併用)から選定した。それらの対象溜池とその周辺部に対して秋季から冬季かけてビオトープ(生息魚類や植生等)および溜池堤体や周辺地盤の状況(すべり・亀裂の有無等)調査を行い、同時にデジタル画像データを収集し、基本となるビジュアルデータベース、機能、環境ならびに景観を統合的に考えて溜池を整備するトータルデザインの概念の導入とその診断カルテの方針や基本部分を構築することができた。次に、景観分析や3次元および2次元溜池安定性評価を自動的に行うために地理情報システム(GIS)とCGならびにすべり安定解析アプリケーション・弾塑性有限要素法との統合等によって溜池およびその周辺部の3次元画像化を行い、景観分析用基本データの収集および溜池堤体のすべり安定性評価の効率化を提起することができた。さらに、溜池とその周辺部を構成する構造物(特に溜池とその周辺部における付帯構造物)の持つ景観要素を中心として景観シミュレーションを行い、法面保護工、水路および路面等の色調・材質・形状・周辺との調和等についてアンケート調査を実施し、主成分分析等を行って人間の感性に及ぼす基本的な景観要素を抽出することができた。次年度はさらに十分な現地調査を行い、基本的なビジュアルデータベースの充実をはかると共に、GISの有する基本的なオーバーレイ機能やCGアニメーション活用し、溜池とその周辺部の整備後の状況を視覚的に予測できる景観シミュレーションシステムや景観分析へのニューラルネットワークの導入、先に述べたトータルデザインの診断カルテとの統合等を目指して行きたい。
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