研究課題/領域番号 |
09556051
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
駒村 正治 東京農業大学, 地域環境科学部, 教授 (60078194)
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研究分担者 |
中村 貴彦 東京農業大学, 地域環境科学部, 講師 (10287451)
成岡 市 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (70211448)
佐藤 照男 秋田県立大学, 短期大学部, 教授 (50073979)
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キーワード | 稲作の栽培技術 / 水田の基盤整備 / 乾田直播 / 不耕起栽培 / 不耕起移植栽培 / 浅層暗渠 / 土壌水分動態 / 水田の水管理 |
研究概要 |
わが国の水田稲作には生産コストの低減が必要である。飛躍的な低コスト化や労働生産性の向上には、従来の稲作と異なる栽培技術が必要である。田植えに変わるべき直播栽培や不耕起栽培などの新技術の導入が必要である。本研究の目的は、新技術に対する水田基盤の望ましい在り方の確立である。 調査対象圃場は、昨年度からの継続として、稲作栽培を実施している以下の水田で行った。 (1)不耕起乾田直播栽培を実施している水田(岡山県、千葉県) (2)不耕起移植栽培を実施している水田(秋田県) (3)浅層暗渠排水を実施している水田(静岡県) 不耕起乾田直播栽培を実施している岡山県、千葉県の事例では、乾田状態での作業性が向上し、収量をそれほど低下させず、労働生産性からみて有利である。また乾田直播水田としての基盤整備の留意点も整理した。 不耕起移植栽培の秋田県八郎潟の事例では、収量を低下させず、生産性の向上が認められ、かつ水田内において多様な生物が生息し、生態系を考慮した栽培方法であることも判明した。 浅層暗渠排水を実施した静岡県袋井市の水田では、圃場の乾燥の進展が認められ、稲作の作業性の向上とともに、麦作、ソバ作の導入が可能になり、営農の幅が広がった。 また、不耕起乾田直播栽培の水田では土壌構造の発達や土壌の物理性の改善がみられ、生産性からみても慣行移植栽培と比べて遜色のない結果であった。今後とも、新しい栽培方法と水田土壌、土層構造の変化、特徴把握と生態系の変化も捉えて、本課題に沿って研究成果を取りまとめる方針である。
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