研究課題/領域番号 |
09556056
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研究機関 | 東京農業大学 |
研究代表者 |
長野 敏英 東京農業大学, 農学部, 教授 (10012006)
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研究分担者 |
大橋 真 パスコ株式会社, システム技術課, 課長
高倉 直 長崎大学, 環境科学部, 教授 (50011929)
山路 永司 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (10143405)
石田 朋靖 宇都宮大学, 農学部, 助教授 (00159740)
吉野 邦彦 筑波大学, 社会工学系, 講師 (60182804)
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キーワード | 湿地域の植生タイプ / リモートセンシング / 植生の分光反射特性 / 群落の反射スペクトル / マルチスペクトル反射 / 可視光域 / 近赤外域 / 方向性分光測定 |
研究概要 |
本年度は、個葉と群落のレベルで、植生タイプごとの分光反射特性と、植物生産構造の特性との関係について研究を行った。具体的には、植生のリモートセンシングへの基礎研究の1つとして、群落内分光反射を明らかにし、生態系タイプ別植生の推定に可能な波長を抽出することである。すなわち個葉と群落のレベルで、植生タイプごとの分光反射特性と、植物生産構造の特性との関係を物理的に検証し、鉛直方向からのみ捉えたマルチスペクトル反射だけではなく、複数方向からの分光反射特性を捉えることで、群落層構造の推定可能性についての基礎研究を行った。調査対象地域を北海道厚岸湖・別寒辺牛湿原のヨシ・スゲ群落とミズゴケ群落の混在植生を選定し、各調査区で二方向性分光反射率の測定を行なった。 草冠の類似した低湿原植生は全ての優占種において反射スペクトルが近赤外域に分布したため、特に方向性分光測定が種判別に有効となったが、高層湿原植生は反射スペクトルが短波長側の可視光域と近赤外域に分布したため、少なくとも高層湿原内での植生判別には特に方向性測定は必要はなく、バンドの選択により種判別は可能となることが明らかになった。従って、類似した草冠の種判別には、鉛直方向よりも斜め方向からの分光反射が有効になることが分かった。すなわち、分光反射測定方向を選択すれば、少なくとも草冠上2mの近接分光反射測定データから、湿原タイプごとの植生の判別が可能になることが明らかになった。
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