研究課題/領域番号 |
09556057
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 敞敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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研究分担者 |
植村 順子 東北大学, 農学部, 教務職員 (10241556)
川井 泰 東北大学, 農学部, 助手 (00261496)
北澤 春樹 東北大学, 農学部, 助手 (10204885)
齋藤 忠夫 東北大学, 農学部, 助教授 (00118358)
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キーワード | ホエー / プロテアーゼ / アンジオテンシン変換酵素 / プロティナーゼK / ペプチド |
研究概要 |
牛乳からチーズを製造した際、その重量の90%がホエーとして排出される。ホエーはパウダーとしたり、成分を分離して食品添加物として利用されているが、用途が限られているため余剰に悩まされている。これをプロテアーゼで処理をして、更に腸内生育性乳酸菌で発酵させることにより、降圧作用と整腸作用を持つホエードリンクを作ることを考えた。チーズホエーをトリプシン、プロティナーゼK、アクチナーゼE、サーモライシン、ペプシン、パパインおよびキモトリプシンの7種のプロテアーゼで、それぞれの至適pHと温度において24時間分解した。分解物について、アンジオテンシン変換酵素に対する阻害活性(ACE活性)を調べた。その結果、プロティナーゼKとサーモライシン処理によって、95%以上の強い阻害活性が認められ、ペプシンやパパインでも80%以上の阻害活性がみられた。トリプシンやアクチナーゼE処理によるものはあまり高い活性を示さなかった。次に、酵素分解したホエーに、ヨ-グルト製造乳酸菌Lactobacillus delbrueckii subsp.bulgaricusおよびStreptococcus thermophilusを接種して、37℃で8時間培養を行った後、同様にしてACE活性を測定した。ペプシン、トリプシン、サーモライシンおよびパパイン処理を行ったものは、乳酸菌による発酵後にACE活性が低下したが、プロティナーゼKでは低下はわずかであった。これらの結果から、プロティナーゼKによるホエーの消化により、強いACE活性が誘導され、それは乳酸菌発酵でも低下しないことが認められ、プロティナーゼKを用いるのが最適であることが判明した。更に、プロティナーゼKによって生成したペプチドを分画、精製し、これらの中からACE活性を示すペプチドの構造解析を進めている。
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