研究課題/領域番号 |
09556057
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
畜産学・草地学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
伊藤 敞敏 東北大学, 農学部, 教授 (80005610)
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研究分担者 |
植村 順子 東北大学, 農学部, 教務職員 (10241556)
川井 泰 東北大学, 農学部, 助手 (00261496)
北澤 春樹 東北大学, 農学部, 助手 (10204885)
齋藤 忠夫 東北大学, 農学部, 助教授 (00118358)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | ホエー / ペプチド / 血圧低下 / アンジオテンシン変換酵素 / プロテアーゼ |
研究概要 |
チーズを製造する際に副生するホエーの利用拡大は世界的な問題となっている。この有効利用をはかるため、プロテアーゼ処理をして血圧低下性ペプチドを生じさせておき、これを腸内生育性乳酸菌で発酵させることにより、降血圧作用と整腸作用を持つホエードリンクを作ることを考えた。まず、チーズホエータンパク質をトリプシン、キモトリプシン、ペプシン、パパイン、プロティナーゼK、アクチナーゼEおよびサーモライシンの7種のプロテアーゼで分解した後の、アンジオテンシン変換酵素阻害活性を調べたところ、サーモライシンとプロティナーゼK処理が高い活性を示した。これらを高血圧自然発症ラット(SHR)に投与して、血圧低下効果を調べたところ、やはりプロティナーゼK処理が最も効果が高かった。これから有効ペプチドを検索した結果、5種のペプチドが得られたのでその構造解析を行い由来するタンパク質をつきとめた。さらにこれらを合成して、SHRラットに投与することによって、効果の高いペプチドをつき止めた。このうち、トリペプチドIle-Pro-Alaを経口投与したラットの諸器官から回収試験を行ったところ、主として肺に到達しACEに結合していることが判明した。 更に食品添加物として認可されているプロテアーゼのうちから、アクチナーゼAS、プロテアーゼA、コクラーゼPおよびデナチームAPによってチーズホエーを処理し、SHRに対する降血圧効果を調べたところ、アクチナーゼASおよびプロテアーゼAが有効で、これらを乳酸菌で発酵させた後では、アクチナーゼASの効果が高かった。ヒト腸管由来のLactobacillus acidophilusグループ乳酸菌7菌株のホエー中での生育は、プロテアーゼ処理によって向上した。これらを組み合わせることによって、腸内生育性乳酸菌で発酵させた、降血圧作用を持つホエードリンクの作製のための基本工程を定めた。
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