研究課題/領域番号 |
09556059
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
林 良博 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (90092303)
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研究分担者 |
小林 秀俊 (株)ソフトロン, 研究部, 室長
富田 岳児 (株)応用計測研究所研究部, 室長
楠瀬 良 日本中央競馬会運動科学研究室, 室長
近藤 誠司 北海道大学, 農学部, 助教授 (20112576)
局 博一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (30142095)
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キーワード | 乗馬 / リハビリテーション / 馬の運動 / 呼吸数 / 心拍数 |
研究概要 |
実験1)乗馬経験のない健常者男女23名(平均年齢19.3才)に未調教の北海道和腫雌馬4頭の調教を義務づけ、馬との接触回数に伴う被験者の心拍数変化を観察した。その結果、1〜3日目においては馬との接触直前に心拍数が10〜20%増加したが、4日目にはほぼ安静時の心拍数レベルに戻った。緊張感が回数を追うごとに低下するが、この経過に若干の男女差が認められた。実験2)乗馬経験の豊富な被験者(23才)と乗馬経験のない被験者(25才)における自律神経機能を調べる目的で、心拍、呼吸運動、馬体(アングロアラブ)および被験者の垂直方向の揺れ(加速度)をテレメーターで記録した。観察は騎乗前安静時、騎乗直後の静止時、常歩および速歩による運動中、および運動後の騎乗静止時のそれぞれについて行った。騎乗直後の静止時における心拍数および呼吸数は、乗馬経験の有無にかかわらず騎乗前に比べて増加した。また、心拍数および呼吸数は静止時にくらべて常歩、速歩と運動負荷が大きくなるほど増加した。乗馬経験の有無で比較した場合、未経験者では心拍数、呼吸数が乗馬経験者にくらべてつねに高く、また呼吸運動のリズムが不規則であったのにくらべて、経験者では、速歩の際に馬の歩行リズムに一致した周期を示す時間が多くみられた。実験3)馬(アングロアラブ)運動時の馬体各部位および座位、騎乗者の揺れについて、鞍付けの有無、騎乗者の有無および常歩速度の遅速の異なる条件下で画像解析し比較検討した。左右の寛結節(腰)き甲部、尻、鞍の前橋部、後橋部の垂直方向の揺れは、常歩速度が速い(1.4m/s)方が遅い時(1.2m/s)にくらべて大きかった。鞍付けの有無によっては各部位の揺れの程度には差がみられないが騎乗の有無によって変化を受け、騎乗では鞍の前後橋部および騎乗者の揺れの程度が常歩の遅速に影響を受けず一定になることがわかった。
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