研究課題/領域番号 |
09556062
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
中嶋 隆 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50074050)
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研究分担者 |
鈴木 雄一 滋賀県立大学, 環境科学部, 助手 (70171262)
松井 徹 京都大学, 農学部, 助教授 (40181680)
岡野 寛治 滋賀県立大学, 環境科学部, 助教授 (90074088)
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キーワード | ブタ / 亜鉛 / フィターゼ / フィチン / 溶解性 |
研究概要 |
育成ブタに麹菌由来のフィタ-ゼを含む飼料を添加し、亜鉛の利用性に及ぼす影響を検討した。麹菌由来フィターゼの添加により骨中亜鉛含量は上昇したことから、麹菌フィターゼは消化管内でフィチン酸を分解し、亜鉛の利用性を高めることが明らかとなった。ついで、リン利用性に及ぼす酵母由来フィターゼの飼料添加の影響を検討した。育成ブタに低リン飼料を給与し、酵母由来のフィターゼまたは麹菌由来のフィターゼを飼料に添加した。麹菌由来フィターゼと同様に酵母由来のフィターゼはリン利用性を向上させ、成長、骨の形質を改善したが、その効果は麹菌由来フィターゼと比較し弱かった。酵母由来のフィターゼは麹菌由来フィターゼと比較しペプシン抵抗性が弱いことを明らかにし、これが酵母由来フィターゼの効果が低い原因であることを示した。アスコルビン酸ピロリン酸亜鉛、クエン酸リンゴ酸亜鉛、グルコン酸亜鉛を調整した。タンパク質源としてカゼインまたは大豆タンパク質からなる飼料にこれら有機態亜鉛または対照として硫酸亜鉛を添加し、人工消化法によりその特性を検討した。どの亜鉛源でもカゼイン飼料に添加すると大豆タンパク質に添加した場合と比較し消化物中亜鉛溶解性は高いことが明らかとなった。しかしながら、いずれの飼料においても亜鉛源の相違は消化物中亜鉛溶解性に影響を及ぼさなかった。以上の結果から、保温試験で用いた新規の有機態亜鉛は硫酸亜鉛と比較し高い利用性を示さないことが明らかとなった。
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