研究分担者 |
中馬 猛久 鹿児島大学, 農学部, 助手 (90201631)
木内 明男 麻布大学, 獣医学部, 助教授 (60120953)
福山 正文 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (40075932)
伊藤 喜久次 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助教授 (50100045)
松田 基夫 麻布大学, 環境保健学部, 教授 (50139531)
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研究概要 |
Campylobacter lariおよびウレアーゼ陽性好温性Campylobacter(UPTC)の株間識別におけるパルスフィールド電気泳動(PFGE)法およびflagellin遺伝子に着目したPCR-RFLP(restriction fragment length polymorphism)による解析法の有効性について検討したところ、制限酵素ApaI,SmaIおよびSalIを用いたPFGE法はC.lariとUPTCの株間識別に有効であること、C.Jejuniから作成されたflagellin遺伝子に対するプライマーはUPTC株から調整されたゲノムDNAを鋳型とした場合、想定される断片が増幅されることが明らかになった。 PCR法とsouthern blot hybridization(SBH)法を用いて鶏糞便中のC.jejuniを検出したところ、C.jejuniを混入させた鶏糞便中からは、PCR法では34,000個、SBH法では340個の菌を検出することができた。SBH法により3週齢までのひな盲腸内容物中の数例でC.jejuniが検出されたが、PCR法では全く検出されなかった。18日齢の胚の盲腸内容物51例中2例がPCR法とSBH法でC.jejuni陽性であった。しかし、通常の増菌法による培養ではC.jejuniは分離されなかった。 C.jejuni,C.coli,C.lari,およびC.upsaliensisの参照株について、16SrDNA配列を明らかにする目的で,約750bpを生ずるプライマーセット1組と全長を増幅する2組のプライマーセットを使用し、PCRでの増幅を試みた。前者のプライマーではC.jejuni,C.lari,C.upsaliensisは増幅されたが、C.coliは増幅されなかった。また、後者では、C.jejuniおよびC.upsaliensisのみがそれぞれのプライマーセットで増幅された。こられのことから、Campylobacterの16SrDNA配列の3'末端は菌種によって違いがあることが推察された。
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