研究課題/領域番号 |
09557004
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研究機関 | 島根医科大学 |
研究代表者 |
廣田 秋彦 島根医科大学, 医学部, 教授 (50156717)
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研究分担者 |
一ノ瀬 充行 島根医科大学, 医学部, 助手 (90127506)
榎本 浩一 島根医科大学, 医学部, 助手 (70112125)
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キーワード | 光学的測定法 / 膜電位 / 膜電位感受性色素 / 超高輝度発光ダイオード / 二波長測定 / 高速chopping |
研究概要 |
本研究の目的は、適用が極めて困難であった、心臓や筋肉などの動く標本に膜電位の光学的測定法を適用できるように測定装置を改良することである。原理としては、標本が動きを伴う時、動きに起因する光散乱変化の光学的シグナルが、膜電位依存症のシグナルに重畳して来るので、これを波長依存症の違いを用いて分離するものである。多数の領域から同時記録する装置では、受光側で光路を分ける方式より、入射光の波長を高速に切り替える方法(chopping方式)が望ましいが、従来の機械的方法では心臓や筋肉標本への適用には、切り替え速度が遅過ぎた。近年開発された超高輝度発光ダイオードを光源に導入するという独創的な考えにより、自発性の興奮を二波長同時に記録できるシステムが開発出来た。最初の2年間は、研究代表者(廣田)が東京医歯大在職中に開発した1020チャネル測定システムをベースに、わずか1秒しかない連続記録時間を1000倍以上に拡張する改造を施しながら、improved copyを作製した。最終年度の今年は、超高輝度発光ダイオードを用いた光源を作成すると共に、昨年度より進めていた、光源のchoppingに対応できるように測定装置を改造し、基本的にラットの心房から自発興奮を二波長同時記録することに成功した。拍動が余りに大きいとエレメントの下の細胞が入れ替わってしまうなどの問題があるため、拍動を抑制する必要があったが、二波長同時測定の為、測定波長の異なるシグナル位相を合わせる必要が無く、コンピュータで興奮の開始を自動的に認識出来た。ソフトウェアの一部などまだ未完成の部分は残るが、基本的に、当初の開発目標をほぼ満たす測定システムが概ね完成した。
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