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1999 年度 実績報告書

心臓・血管系細胞の機能と細胞内情報伝達を連続観察できる光学的システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09557005
研究機関山口大学

研究代表者

小林 誠  山口大学, 医学部, 教授 (80225515)

研究分担者 児玉 由香  カールツァイス株式会社顕微鏡部, 研究員
池田 奈津子 (轟 奈津子)  山口大学, 医学部, 助手 (90253153)
最上 紀美子  山口大学, 医学部, 助手 (80263771)
キーワード細胞内情報伝達機構 / 細胞質Ca^<2+>濃度 / 血管平滑筋 / 血管内皮細胞 / Rhoキナーゼ / スフィンゴ脂質
研究概要

本研究は、心臓および血管内皮細胞と平滑筋細胞の細胞質Ca^<2+>濃度や機能(内皮由来弛緩因子産生や張力変化等)の、これらの相互作用、またこれに強く影響する細胞内情報伝達機構を可能なかぎり同時に細胞・分子レベルで生体連続観察できるシステムを開発することを目的としている。
初年度〜次年度は、生体血管組織において、細胞膜に小孔を開けたスキンド血管平滑筋を作成し、リコンビナント蛋白を細胞内へ直接投与することによって、その細胞内情報伝達機構を検索するシステムを構築することに成功した。さらに、細胞質情報伝達因子と細胞膜との連結を検討するシステムの構築を試みた。以上の過程の中で、血管のCa^<2+>非依存性収縮を引き起こす2つの新しい細胞内情報伝達因子(スフィンゴ脂質とRhoキナーゼ)を発見した。しかも、それらは、それぞれ上流(スフィンゴ脂質)と下流(Rhoキナーゼ)の因子であることが判明した。本年度は、本研究で開発したシステムをヒト標本に応用することによって、以下の所見を得た。
1.このスフィンゴ脂質/Rhoキナーゼ情報伝達系は、健康なヒトの血管では、ほとんど機能していないが、高脂血症の患者では、著明に活性化している。
2.スフィンゴ脂質による血管の異常収縮の程度は、血清コレステロールレベルと正の相関がある。
以上のことより、本研究で発見された「スフィンゴ脂質/Rhoキナーゼ情報伝達系」は、高脂血症に伴う血管緊張異常の発症において、重要な役割を果たしているものと考えられた。
また、生体内皮細胞において、細胞質Ca^<2+>濃度と一酸化窒素(NO)産生の変化を光学的に測定するシステムを構築し、このシステムを用いて、スフィンゴ脂質が細胞質Ca^<2+>濃度とNO産生を増加させることによって、内皮依存性血管弛緩反応を引き起こすことが解った。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] Mogami,K.: "Sphingosylphosphorylcholine induces cytosolic ca^<2+> elevation in endothelial cells in situ and causes endothelium-dependent relaxation through nitric oxide production in bovine coronary artery."FEBS Lett. 457:. 375-380 (1999)

  • [文献書誌] Ishida,K.: "Thiopentone inhibits endothelium-dependent relaxations of rat aortas regulated by endothelial Ca^<2+> -dependent K^+channels."Eur J Pharmacol. 371:. 179-185 (1999)

  • [文献書誌] Kobayashi,S.: "A View of Smooth Muscle"JAI press Inc.,Greenwich,Connecticut(印刷中).

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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