研究課題/領域番号 |
09557008
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
薬理学一般
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
片野 由美 山形大学, 医学部, 教授 (70018696)
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研究分担者 |
高橋 英嗣 山形大学, 医学部, 助教授 (30206792)
石幡 明 山形大学, 医学部, 助手 (40232326)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 老化遺伝子 / 遺伝子クローニング / 心筋細胞 / differential display法 / ラット / ノーザンブロット法 / 未知遺伝子 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
【目的】老化により心筋エネルギー代謝は低下し、心臓収縮力も低下する.我々はこれまでに、α-およびβ-adrenergic receptor、ET_A-およびET_B-receptor、AT_1receptorなど各種心筋受容体蛋白質とmRNAの加齢変動、心筋SR機能の低下、さらに冠血管内皮細胞でのNO産生の著名な減少とPGI_2遊離の増加などを明かにし、加齢に伴う病態生理との関連について考察してきた.本研究課題では、若齢ラットおよび老齢ラット心臓から抽出したRNAに対して、Differential Display Reverse Transcription-Polymerase Chain Reaction(DDRT-PCR)法を適用し、老化によって発現量の変動する遺伝子の特定を試みた.【方法】2-3ヵ月齢および24-27ヵ月齢の雄性Fischer344ラットの左心室からRNAをAGPC法により抽出し、3種類のOligo-dT-Anchor primerを用いてFirst stand cDNAを合成した.それらを基に、各々8種類のArbitrary primerとAnchor primerで、[α^<32>P]dATP存在下でPCR反応を行い、反応生成物をDNAシークエンスゲル上で解析した.老化ラット心臓で発現量の異なる多数のバンドを切り出し、DNAの精製、T-vectorへのライゲーション、塩基配列解析を行った.得られたクローンをプローブとし、組織全RNAを用いたノーザンブロット解析により心臓での発現量の変化を検討した.【結果および考察】シークエンスゲル上で分離されたPCR産物のうち、若齢ラット心臓に比較して老化ラット心臓で発現増加の見られるクローンを19個、発現の減少するクローンを66個選択した.それらのうち31クローンについて塩基配列解析を行ったところ、14クローンは未知遺伝子であった.既知遺伝子産物は、ミトコンドリア代謝関連物質、細胞表面糖蛋白質、細胞情報伝達関連物質、ミオシン重鎖サブタイプ等であった.以上のようにDDRT-PCR法は、心臓老化に伴う遺伝子発現変化を効率よく検出でき、新たな老化関連因子を研究する上で有用な方法の一つであることが確認できたので、さらに未知遺伝子について解析中である.
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