研究課題
1.オーシストの検出・定量用に、モノクローナル抗体による蛍光抗体直接法用の検査試薬キットを開発した。水検査のみならず患者および家畜糞便からの検出にも有用であり、現在、体外診断試薬として厚生省および農林水産省の認可を得るための評価試験を実施している。2.水中のオーシストを殺滅するため、オゾン処理、紫外線照射、電子制菌システムなどの殺滅効果に関する基礎データを実験的に集積し、解析した。オゾン水濃度0.5mg/Lでは10分処理で99%、30分で99.9%、50分では99.9%以上のオーシストを不活化できることを明らかにし、第7回オゾン協会年次研究会(98.3.4)に報告した。電子制菌装置では5時間の循環処理で97%のオーシストが不活化され、オーシスト除去効果は99.99999%であることを明らかにした(論文投稿中)。紫外線照射による殺滅効果は照射量20mW・min/cm^2で脱嚢率が5%程度に低下することを明らかにし、第24回防菌防黴学会(97.5.29)に報告した。3.多量の水試料から微量のオーシストを効率よく捕捉するために、中空糸膜技術を応用した装置を数種開発し、現在評価を実施している。