研究課題/領域番号 |
09557032
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研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
和田 攻 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (60009933)
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研究分担者 |
野寺 誠 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (70189413)
柳沢 裕之 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (10200536)
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キーワード | 亜鉛 / 動物モデル / 欠乏 / ラット / 血清亜鉛 / ALP活性 / 錯角化 / 脱毛 |
研究概要 |
本研究では、亜鉛の生体における役割を解明するとともに、亜鉛欠乏による生体変化を調べるうえで有用な動物モデルを作製することを目的とした。7週齡および11週齡のSD系雄ラットを亜鉛欠乏食を用いて長期間(60日間以上)にわたり飼育した。本研究では、先ず、亜鉛を添加しない特別食(亜鉛欠乏食)の他、比較のために、飼料100g中に亜鉛が1、3、20、40および200mg含まれる特別食も作製し、亜鉛欠乏食投与ラットと同様に飼育し、状態観察を行った。なお、1mgは亜欠乏食であり、3および20mgは標準食、40および200mgは過剰食である。亜鉛を1、3、20、40および200mg含む特別食を投与したラットは順調な体重増加が確認された。一方、亜鉛欠乏食を与えたラットは、特別食による飼育を開始した直後から体重増加が停止した。また、血清中の亜鉛量とALP活性の低下と胸腺および精巣の萎縮が確認された。加えて、7週齡ラットでは飼育開始から50日から脱毛と皮膚偏平上皮の錯角化を伴う角化亢進が認められた。以上より、(1)亜鉛が僅かでも投与された場合、および過剰に投与された場合でもラットは順調に発育する。(2)亜鉛が欠乏した場合には、直ちに発育が停止するなど生体影響が発現する。また、(3)本実験で作製した亜鉛欠乏ラットは、体重増加停止などの症状がみられたにもかかわらず260日以上生存したことから、長期間にわたる亜鉛欠乏実験に有用なモデルとなりうると考えられる。
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