研究課題/領域番号 |
09557037
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
山本 淑子 京都大学, 医学研究科, 助手 (70025617)
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研究分担者 |
松本 博志 京都大学, 医学研究科, 助手 (60263092)
山本 啓一 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40025614)
福井 有公 京都大学, 医学研究科, 教授 (10025588)
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キーワード | アンフェタミン / メタンフェタミン / コカイン / パーキンソン病 / ドーパミントランスポーター / ノックアウトマウス / 運動量 / 血中濃度 |
研究概要 |
ドーパミン(DA)は神経伝達物質で、正常、異常行動にも関係する。アンフェタミン(AMP)やコカイン(COC)の作用は、DA作働性を介して説明され、またパーキンソン病は、DA産生の低下によって起こるとされている。伝達物質の取り込みは、神経伝達において重要であるが、DAの再取り込みはDAトランスポーター(DAT)によって行われ、このDATは、パーキンソン病や、AMP、COCなどの作用とも関係する。最近アメリカで作成されたDAP遺伝子KOマウスは、AMPやCOCの作用下にあるような異常行動を示す。これらのことから、AMPやCOCの作用はDATの抑制にあるという推定が可能になる。これまで、AMPやCOCの生体に対する影響を調べてきたが、DAT-KOマウスの報告から、AMPやCOCは、パーキンソン病のような、DA産生低下によって生じる疾病の治療薬として有用になりうるのではないかと考えた。本研究ではDAT-KOマウスを作成、パーキンソン病に対する治療薬開発を試みた。DAT欠損ホモ、ヘテロの-KOマウス作成は準備進行中である。このマウスの運動量を正常(野生)マウスの運動量と比較するため、メタンフェタミン(MAMP)、COCの野生マウスの運動量に及ぼす効果を、赤外線センサーを用いた自発運動量測定システム(スーパーメックス)で調べた。MAMP(5,10,15mg/1kg)を腹腔内に投与して、自発運動量を20分毎に別時間測定したところ、運動量は投与20分後に最大となった。運動量の増加は4-5時間続き、24時間には投与前の状態に戻った。15mg/kg投与よりも5mg/kg投与の方が、すなわち、用量の小さい方が大きい方よりも、運動量を増加させた。COCでも同様の傾向が見られた。血清中のMAMP濃度はHPLCで測定した。15mg/kgの場合、投与5分後で最高値となり、投与1時間後には半減、24時間後には認められなくなった。
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