研究概要 |
Rhシステム血液型遺伝子にかかわる種々の解析を行い,以下のような成績を得た。 (1) RHD遺伝子,RHCE遺伝子の全塩基配列をほぼ決定した。 (2) RHDとRHCE遺伝子を結ぶスペーサー領域の全塩基配列をほぼ決定した。 (3) RH遺伝子イントロン8内のshort tandem repeat(STR)多型を解析し, non-functional RHD遺伝子及び各Rhハプ口タイプの特徴を明らかにした。この結果はRhハプ口タイプの発生過程やRH遺伝子の分子進化を解析する重要な手がかりとなる。 (4) 先天性及び後天性Rh抗原欠失例の分子遺伝学解析を行い,前者(Rhnull)においては,RH50遺伝子の異常に起因することを明らかにした。一方,後者においては,骨髄異形成症候群の発症に伴うDCEハプ口イドの欠失を証明した。 (5) 種々のD^<Va>の分子遺伝学的解析により,遺伝子レベルでの分類法と遺伝子診断法を考案した。 なお,(1),(2)の結果は,今後Rhシステムにかかわる種々の解析を実施する際に,大いに威力を発揮するものと期待される。
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