研究分担者 |
古池 保雄 名古屋大学, 医学部・保健学科, 教授 (30161839)
小山 幸子 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (40270483)
柿木 隆介 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (10145196)
久野 晧 タイムフレックス, 主任
井口 弘和 豊田中央研究所, 主任
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研究概要 |
我々は世界に先駆けて高分解能小型生体磁場計を導入した.これは,直径3cmの円内に直径2mmのSQUIDセンサーを12個配し,空間分解能を現在の脳磁計に比して飛躍的に高めたものである.これにより,大脳皮質の機能局在の研究がさらに正確に行われるようになり,またこれまでの脳磁計では不可能であった他の生体組織,すなわち脊髄,末梢神経,骨格筋への応用も期待される. 本研究では,この12ch高分解能小型生体磁場計(microsquid)が一般の脳磁計では測定できない生体磁場活動を実際に記録することができるか,またどのような解析方法が必要であるかについて,詳細な性能評価とともに行ってきた.その結果,このmicrosquidは,末梢神経や筋の磁場活動を通常の脳磁場計の10-100倍の感度で検出できることがわかった.しかしSQUIDのコイル径が小さいためS/N比が悪くなることもわかった.従って,加算平均や空間フィルター,独立成分分析などの処理を行うことが不可欠であった.また自発的な筋収縮にともなう磁場活動は容易に記録できたが,病的な筋活動の記録のためにはS/N比がさらに改善されることが必要で,これには空間分解能を犠牲にしてもSQUIDのコイル径の変更によるしかないこともわかった. これらの経験をもとに新たに設計をすれば,高分解能小型生体磁場計は臨床応用や生理学的研究に役立つものになると確信するにいたった.
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