研究課題/領域番号 |
09557061
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
松尾 裕英 香川医科大学, 医学部, 教授 (90028514)
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研究分担者 |
松中 敏行 アロカ研究所, 部長(研究職)
野崎 士郎 香川医科大学, 医学部・付属病院, 助手 (80243773)
舛形 尚 香川医科大学, 医学部・付属病院, 助手 (70263910)
水重 克文 香川医科大学, 医学部・付属病院, 講師 (90166009)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部・付属病院, 教授 (30145049)
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キーワード | 血栓症 / 血栓溶解療法 / 超音波 / コントラストエコー剤 / 超音波エネルギー / 組織プラスミノーゲンアクティベータ |
研究概要 |
コントラストエコー剤(CA)による超音波照射併用組織プラスミノーゲン活性化因子(t-PA)による血栓溶解増強効果に関するin vitro実験 超音波(US)照射下におけるコントラストエコー剤による血栓溶解増強効果はすでに報告されているが、その機序については不明である。そこで、本年度においては、この効果について血栓の病理組織学的解析から検討した。(方法)健常成人10例より採血して室温にて作成した血栓を2群にわけ、t-PAを溶解した生食(8000単位/100ml)に固定した。CA使用(C)群、不使用群(N)にUS(1MHz,1W/cm2)を照射しつつ超音波エコー法にて血栓断面を監察した。血栓重量についても比較した。用いた血栓はホルマリン固定後、H-E染色にて組織像を観察した。(結果)重量は、C群:-41±4%、N群:-24±5%(p-0.001)とC群の方がN群より有意に低下した。血栓断面での径、断面縮小率はC群(-31±10%、44±12%)でN群(-11±6%、23±11%)より有意に大であった(p<0.001)。C群の病理組織像では、フィブリン塊中に班状の空胞が散在し、形態変化もN群に比べて大であった。(結論)CAによるt-PA血栓溶解作用の増強機序として、CAのマイクロバブルがUSによって血栓表面から内部に穿通し、t-PAが血栓内部に流入しやすくなることが考えられた。
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