研究課題/領域番号 |
09557065
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
皮膚科学
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
橋本 隆 久留米大学, 医学部, 教授 (20129597)
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研究分担者 |
宮里 稔 久留米大学, 医学部, 講師 (50182001)
森 理 久留米大学, 医学部, 助教授 (10175630)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 自己免疫性水疱症 / 角化細胞 / 表皮基底膜部 / 水疱性類天疱瘡 / ヘミデスモソーム / リコンビナント蛋白 / PCR / 免疫ブロット法 |
研究概要 |
まず、培養ケラチノサイトのmRNAより作製したcDNAライブラリーをテンプレートとしたPCRを用い、BP230の全長cDNAをカバーする3部位のcDNAを得、大腸菌発現ベクターpGEXに組み込み、リコンビナント蛋白を作成した。その各種リコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で、水疱性類天疱瘡血清中の抗表皮基底膜部抗体がBP230上の多数のエピトープに特異的に反応することを見いだした。次いで、同様にBP180の細胞外部位の全長cDNAをカバーする3部位のcDNAを得、リコンビナント蛋白を作成した。その各種リコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で、水疱性類天疱瘡血清がN末端部に反応するのに対して、瘢痕性類天疱瘡はC末端部に反応することを見いだした。また、lamina lucida型線状IgA水疱性皮膚症血清がBP180の細胞外部位のN末端に近いC15部位に反応することを見いだした。次にVII型コラーゲンのNC1およびNC2部位のリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法で、後天性表皮水疱症とbullous SLEが主にNC1部位に反応すること、一部はNC2部位にも反応すること、sublamina densa型線状IgA水疱性皮膚症血清はこれらの部位に反応しないことを見いだし、疾患によりエピトープの部位が異なる可能性を示した。さらに、新しい200kD基底膜抗原の性状を明らかにするため、ケラチノサイトcDNAライブラリーを免疫スクリーニングし、この蛋白がVII型コラーゲンないしラミニン1である可能性を示した。現在、これらのリコンビナント蛋白を用いて、より簡便でまた多数の試料を検索できるELISA法を検討中である。これらのリコンビナント蛋白を用いた免疫ブロット法ないしELISA法は今後、抗基底膜部自己抗体を示す各種自己免疫性水疱症の診断に非常に有用なものとなると考えられる。
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