研究課題/領域番号 |
09557069
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
西本 清一 京都大学, 工学研究科, 教授 (10115909)
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研究分担者 |
高橋 正治 京都大学, 胸部疾患研究所, 教授 (00026931)
芝本 雄太 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (20144719)
周 玲 京都大学, 工学研究科, 助手 (50293890)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 放射線活性化プロドラッグ / 放射線還元 / 5-フルオロウラシル / 2-オキソアルキル置換誘導体 / 細胞毒性 / 薬物動態 / 細胞内薬物放出 / in vivo増感効果 |
研究概要 |
N1位に2-オキソアルキル基を置換した5-フルオロウラシル(5FU)誘導体でそのもの自身は抗がん効果を示さないが、放射線の作用下、低酸素細胞中で抗がん活性な5FUを放出する放射線還元活性化プロドラッグを対象として、がんの放射線治療を目標にした構造-活性相関を明らかにするするとともに、臨床応用の可能性を見極めるために下記評価試験を実施し、所定の成果を得た。 (1)5FUのN1位に2-オキソアルキル基を置換した放射線還元活性化プロドラッグ群から、放射線化学的評価で高活性を示した数種のプロドラッグを大量合成して、マウス腫瘍を用いた評価試験に供した。 (2)プロドラッグ(1mM)を含む培養液に7.5〜22.5GyのX線を照射した後、この照射培養液中にSCCVII腫瘍細胞を懸濁した場合の細胞生存率と培養時間の関係を調べ、細胞毒性と5FU遊離量の関係を定量化した。 (3)SCCVII腫瘍の培養細胞を用いて、酸素条件下および低酸素条件下でプロドラッグ投与量を変化させ、各条件での細胞毒性およびin vitro増感活性を評価し、細胞内で放出される5FU量との相関を明らかにした。また、これらのin vitroデータに基づく構造-毒性相関および構造-活性相関を定量化し、分子設計指針として合成開発研究にフィードバックした。 (4)各種プロドラッグのIC_<50>値を定量することにより分子構造と毒性の関係を定量化し、さらに毒性とin vitro増感活性との関係を明らかにした。 (5)SCCVII腫瘍またはEMT6腫瘍を担持したマウスを用いて、一連のプロドラッグを静脈注射[100mg/kg]した場合の血中濃度と腫瘍内濃度に関する薬物動態、さらに各種タイミングで放射線照射を併用した場合に遊離する5FUについても同様の薬物動態を解析し、プロドラッグの構造と5FU遊離活性ならびに薬物動態特性の相関を明らかにした。また、この解析結果に基づき、薬物動態の面で優れた性能をもつ新規プロドラッグ開発に対する分子設計指針が得られた。
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