研究課題/領域番号 |
09557081
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
横山 信治 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (10142192)
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研究分担者 |
辻田 麻紀 名古屋市立大学, 医学部, 助手 (10253262)
堂前 純子 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (70227700)
伊藤 仁一 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (60167260)
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キーワード | 細胞 / 脂質 / コレステロール / リポタンパク質 / アポリポタンパク質 |
研究概要 |
細胞コレステロールの搬出機序には、その物理化学的拡散とアポリポ蛋白質と細胞の特異的相互作用の二つがあることが分かってきた。後者の反応の制御物質の検索に重点を置いた本研究の成果は次のようにまとめられる。1)マウス単球白血病細胞RAW264はcAMP刺激によってアポリポ蛋白質に反応してHDL新生が起こる。この細胞をモデルとして、カルモジュリン阻害剤naphthalene sulfonamideがHDL新生反応の促進を示した。他の阻害剤では効果がないことからこれらの化合物に特有の効果であると考えられ、HDL増加の新薬開発の可能性を示唆している。3)HDL新生反応のin vivoでの血漿HDL濃度制御を、アポリポ蛋白質細胞結合阻害剤であるプロブコール投与マウスで検討した。プロブコールはCETPを持たないマウスHDLを投与2週以内に1/10に低下させるが、アポA-Iの合成の低下やHDLコレステリルエステルの血中からの消失率に有意の差はない。一方、腹腔マクロファージでアポA-Iの結合・HDL新生・細胞内コレステロール輸送促進のいずれもが消失していた。このように、プロブコールによる血漿HDL低下は、細胞とアポリポ蛋白質の結合の阻害によるHDL新生反応の抑制によるもので、タンジール病の病態モデルとなることが分かった。
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