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1997 年度 実績報告書

HIV感染阻止効果を持つリボザイムの開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 09557084
研究機関京都大学

研究代表者

服部 俊夫  京都大学, ウイルス研究所, 助教授 (30172935)

研究分担者 本多 三男  国立感染症研究所, エイズ研究センター, 室長(研究職) (20117378)
嶋山 隆  日立化成, 筑波開発研究所, 研究員補(研究職)
キーワードリボザイム / HIV / AIDS / envelope
研究概要

細胞内でHIVを不活化するハンマーヘッド型リボザイムを開発する試みを続けている。細胞内のendnucleaseとribonucleaseへの抵抗性を高める為に、stemI,II,IIIにチオ化DNAを導入し、活性部位のU7をA7に変換したキメラ型安定化リボザイムを作成した。その標的として、HXB2株のV3loopにいくつかの切断可能箇所を発見した。全てがRNAの野生型リボザイムは全ての切断部位に対して切断活性を持ったが安定化リボザイムの最も効率のよい切断活性は保存領域(GUA,7110-7112)に対するものであった。T細胞好性ばかりでなくマクロファージ好性ウイルスRNAも検討した。T細胞好性株HXB2,SF2とマクロファージ好性株SF162のenvのV3領域のRNAを試験管内で合成し、リボザイムの切断効果を検討した。またenvelope遺伝子不活性化NL432にルシフェラーゼ遺伝子を組み込んだものと上記のウイルスのenvelope遺伝子を共導入することにより偽ウイルス粒子を得ることができるが、リボザイムの抗envelope効果を検索する為に、この偽ウイルスの感染力についても検討を加えた。結果を見るとリボザイムの切断効率は標的ウイルスで異なり、HXB2のV3 loop RNAは最も効率よく切断された。SF2は切断部位の近傍で、SF162は下流のflanking sequenceの末端が、1塩基異なっている。効率はある程度低下したが、これらの合成RNAも切断された。リボザイムを導入したCHO-WT細胞では導入後2時間でenvの発現量が減少した。また偽ウイルス粒子によるルシフェラーゼ活性はリボザイム処理により低下した。最後にCD4とCCR5またはCXCR4を発現している細胞を用いて本リボザイムのT細胞好性株HXB2とマクロファージ好性株SF162ウイルスによる感染に対する効果にも抑制傾向が見られた。これらの結果より、V3 loopに対するリボザイムはHIVの感染に対する阻止効果があることが明らかになった。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Toshio Hattori 他4名: "V3 loop of human immunodeficiency virus type 1 suppress interleukin 2 indeed T cell growth." AIDS Res.Hum.Retrovir.13. 151-159 (1997)

  • [文献書誌] Toshio Hattori 他8名: "Triazine dyes inhibit HIV-1" Microbiol Immunol.41. 717-724 (1997)

  • [文献書誌] Toshio Hattori 他3名: "V3 loop of human immunodeficiency virus type 1 reduced cyclin E expression and induced G1 arrest." AIDS Res.Hum.Retrovir.(印刷中).

  • [文献書誌] Mitsuo Honda 他9名: "In SCID-hu mice,Passive transfer of a humanized antibody prevents infection and atropic change of medulla in human." J.Immunol.160. 69-76 (1998)

  • [文献書誌] Mitsuo Honda 他12名: "Correlation of titer of antibody to principol neutrolizing domain of HZVMN strain disears progression." AIDS Res.Hum.Retrovir.13,4. 317-326 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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