研究課題/領域番号 |
09557087
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
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研究分担者 |
坂田 恒昭 ディナベック研究所, 室長
長谷川 護 ディナベック研究所, 所長
卜部 匡司 自治医科大学, 医学部, 助手 (40213516)
久米 晃啓 自治医科大学, 医学部, 講師 (10264293)
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キーワード | 遺伝子治療 / 遺伝子導入 / 造血幹細胞 / 体内増幅 / 対外増幅 / 選択的増幅遺伝子 / G-CSF受容体 / エストロゲン受容体 |
研究概要 |
遺伝子導入造血幹細胞を体内及び対外で選択的に増やすための「選択的増幅遺伝子」の実用化を図るため、最も効率良いシステムを開発することを目的に研究を行った。我々の研究グループはこれまで、G-CSF受容体エストロゲン受容体融合遺伝子(GCRER遺伝子)を選択的増幅遺伝子として開発してきた。今回、エリスロポエチン受容体およびc-kit産物(SCF受容体)をエストロゲン/エストロゲン受容体(ER)システムで制御できるどうか、それぞれのキメラ遺伝子の発現ベクターを構築して検討した。その結果、これらの作用はGCRER遺伝子に及ばないことが判明した。そこで、GCRER遺伝子をベースとして、より増殖刺激活性の強い選択的増幅遺伝子を開発するため、G-CSF受容体部分のTyr703をPheに置換した選択的増幅遺伝子[Δ(5-195)Y703F-GCRER]を構築した。分化誘導可能な32D細胞で検討した結果、Δ(5-195)Y703F-GCRER遺伝子を導入した場合、エストロゲン刺激で未分化な状態で増殖を続けることが判明した。即ち、Tyr703変異により分化シグナルが抑制され、選択的増幅遺伝子としてより効率が上がったものと考えられる。また、選択的増幅遺伝子を導入したマウス骨髄造血幹細胞を液体培養系で対外増幅できるかどうかという研究課題については、今年度は実験系の予備的検討を行った。即ち、未分化造血系細胞を濃縮するための分化マーカーの検討とバンニング法への応用について検討した。今後、分化シグナルを抑制した選択的増幅遺伝子を用いて、遺伝子導入造血幹細胞の対外増幅法に関する本格的検討を進めていく計画である。
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