研究概要 |
平成l0年度研究実績 1) 培養メザンギウム細胞におけるcyclin,CDK等の細胞周期関連の遺伝子および蛋白の発現と調節についての検討。メザンギウム細胞の細胞周期、細胞増殖のメカニズムの解明を、特にG1-S期へのcheck pointに働くp21、p16等のCDK inhibitorおよびcyclin-cdk complexの遺伝子および蛋白発現、酵素活性測定について検討を行いアメリカ腎臓学会雑誌に発表した(Journal of American Society of Nephrology8;51-60,1997)。 2) メザンギウム細胞の細胞周期および、増殖の調節をより詳細に検討するため、RB,p16,p21の特定の遺伝子をアデノウイルス等を用いての導入し、メザンギウム細胞の増殖の調節を検討した。われわれはPDGFやEndothelinによるメザンギウム細胞の増殖にはcyclin D1の誘導が必要であり、またp16,p21の強制発現によりザンギウム細胞の増殖は有意に抑制されること、およびこれらの細胞周期調整にはRb蛋白の燐酸化がきわめて重要であることを示した(Kidney International 53:76-83,1998)。これらの方法により従来不明であったメザンギウム細胞の細胞周期および、増殖の調節のkey factor(s)を絞り込みを検討しつつある。
|