研究分担者 |
新井 潤一郎 ダイキン工業(株), MEC研究所, 主任研究員
楠 慎一郎 (株)エル, エス・エル, 代表取締役・研究職
古里 征国 杏林大学, 医学部, 教授 (20056948)
島田 貴 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師(兼任) (80235621)
橋本 尚詞 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教授 (80189498)
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研究概要 |
癌細胞に対する抗癌剤の薬剤感受性を簡便、迅速かつ正確に判定する方法を開発した。すなわち、癌細胞の代謝活性変化をその呼吸量の変化として捉えるところにこの研究の特色がある。癌細胞の活性が高ければ高いほどその酸素消費量は増加し、逆にそれが低ければ低いほど、その酸素消費量は減少する。したがって抗癌剤に対し薬効があればあるほど細胞の酸素消費量は減少する。我々は癌細胞の呼吸量をリアルタイムでみることができる溶存酸素測定装置(DOX-10,DOX-96)を開発・試作した。癌細胞として子宮体癌、子宮頸部扁平上皮癌、卵巣漿液性腺癌、卵巣粘液性腺癌、絨毛癌、癌肉腫ならびに奇形種、神経芽細胞腫、黒色腫、胃癌由来のCell linesと、癌組織からの解離細胞を用いた。また抗癌剤としてvp-16,CDDP,MTX,MMC,CAP,ADM,THP,CPT-11,EPI等を用いた。その結果そのそこの装置を用いると最適な抗癌剤の選択とその至適濃度の決定をほぼ15時間以内で行うことが可能であった。この装置による判定結果はMTT法ならびに担癌ヌードマウスによる判定結果とほぼ一致した。さらにこの装置は従来法と異なり細胞を生かしたままその呼吸量の変化をリアルタイムで計測するため、抗癌剤の相乗効果を判定するのに最適なものである。 今後今回得られたノウハウを基に医療の現場で実際に使用可能な30種類の抗癌剤を各5段階濃度でしかもダブルでcheckできる装置(DOX-300)の開発と全自動化の研究を行う予定である。
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