研究課題/領域番号 |
09557099
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加藤 紘之 北海道大学, 医学部, 教授 (80002369)
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研究分担者 |
瀧本 将人 北海道大学, 医学部, 講師 (30179585)
葛巻 暹 北海道大学, 医学部, 教授 (80091445)
高橋 利幸 北海道大学, 医学部, 講師 (40261284)
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キーワード | 膵癌 / 遺伝子治療 / アデノウイルスペクター / RAS変異体 / CEAプロモーター |
研究概要 |
N116Yは、RAS以降のシグナル伝達を阻害し、癌形質を喪失させ、腫瘍細胞の増殖を抑制する。研究代表者らは“活性化RASの機能阻害により、ras変異のある膵癌細胞でもその増殖を抑制しうる"との仮説を立て、RAS抑制変異体N116Yを用い、膵癌における有力な補助療法としての遺伝子治療の可能性を検討した。 [結果]N116Y遺伝子をras変異をもつ膵癌細胞株にリポフェクション法で実験的に遺伝子導入し、膵癌細胞でも強力な増殖抑制効果が得られることを証明した。さらに遺伝子導入方法としてレトロウイルスヘクターを用い、CEAプロモーターによる腫瘍特異的な遺伝子発現システムを開発した。 アデノウイルスベクターによる遺伝子導入効率の検討では、moi200で約65%から90%前後の導入効率が得られた。Ad CMVN 116Yの膵癌細胞株増殖抑制効果の検討では、全ての膵癌細胞株において、moi200あるいは400でコントロールと比較し、有意に増殖を抑制した。 さらにAd CEA N116Yの各種細胞株での検討では、CEA産生陰性細胞株へのAd CEA N116Y、PCはmoi400でも増殖抑制効果を示さなかった。 一方、CEA産生陽性膵癌細胞株はmoi200でコントロールと比較し、有意に細胞増殖を抑制した。
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