研究課題
(1)ヒトにおける基礎的検討ヒト手術標本を用いて電気生理学的検討を行う目的で、Ussing Chamberを含めた測定装置を作成した。さらに、標本の摘出から組織の運搬法などbiabilityの維持に不可欠な要素について一つ一つ検討し最適化をはかった。その結果、小腸切除標本より粘膜を採取、Ussing Chamberに装着しグルコースの粘膜側投与による起電性ナトリウム電流の証明が可能となり、biabilityを十分維持しつつヒト粘膜での電気生理学的検討が可能となった。現在、対照群として大腸粘膜での検討を開始した。(2)ラット大腸全摘モデルでの検討1、残存小腸上皮および腎における遺伝子発現残存小腸の上部、中部、下部よりそれぞれ上皮を分離し、Na/K ATPaseal、bl遺伝子発現をノーザン解析により、Na/Hexchanger1、2、3、4の遺伝子発現をreverse transcription polymerase chain reactionにより検討しているが、遺伝子発現レベルではそれほど大きな変化は認められていない。一方、腎における経時的変化はきわめて大きく腎における代償機能の重要性が考えられる。2、残存小腸上皮に発現される遺伝子のDifferential Displayによるスクリーニング現在のところ、5つのバンドを選択、クローニングし解析を試みている。