研究課題/領域番号 |
09557105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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研究分担者 |
澤崎 嘉男 防衛医科大学校, 医学部, 助教授 (90092410)
岩田 博夫 京都大学, 生体医療工学研究センター, 助教授 (30160120)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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キーワード | ハイブリッド型人工肝臓 / ヒト肝細胞培養 / ブタ肝細胞培養 / バイオリアクター / 機能評価 |
研究概要 |
ヒト正常幹細胞を用いたハイブリッド型人工肝臓を開発するために、ブタ正常肝細胞をもちいて培養法の基礎的検討を行い、肝悪性腫瘍切除時に採取した非癌部のヒト正常肝細胞の培養、さらにバイオリアクターの試作の3つの方向で研究を進めている. 1)ブタ正常肝細胞の継代培養・大量培養法の開発新生仔ブタ肝よりコラゲナーゼ灌流法によって90%前後の生存率で肝細胞を採取・精製を行うことができた。培養後48時間後よりフリーザ-を用いて凍結後、液体窒素中での凍結保存が可能であり、凍結保存後も70-80%の生存率を維持することが確認された。また、約3ヶ月間の長期培養が可能であり、Cytochrome P450活性および誘導能も保たれていることが確認された。また、数代の継代培養後も肝細胞の超微構造は良好であった。現在、肝細胞のアルブミンなどの蛋白合成能、肝細胞特異的な遺伝子発現を検討中である。 2)ヒト正常肝細胞の採取、継代培養法の開発。高濃度コラゲナーゼ・パィスバ-ゼを使った穿刺灌流法を用いて、少量の(10mm角)手術標本、1X10^6程度の正常肝細胞を90%の生存率で採取することが可能となった。現在のところ、約1ヶ月間の長期培養が可能であり、肝細胞の形態もよく保たれた状態で確認されている。ヒト正常肝細胞の長期・継代培養後の代謝能、蛋白合成能、肝細胞特異的な遺伝子発現を検討予定である。 3)バイオリアクターの開発・機能評価蛋白質が透過不可なバイオリアクターに初代ブタ肝細胞充墳し、ハイブリッド型人工肝として閉鎖灌流系で機能評価を行った。アンモニア、リドカインの代謝クリアランスは、灌流開始後1週間においても機能が維持されていることが確認された。バイオリアクターの機能評価については、肝不全犬と交差灌流を行い、細胞機能評価、脂質代謝活性、凝固系、肝不全犬の救命率等で機能評価を行っている。
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