研究課題/領域番号 |
09557105
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
猪飼 伊和夫 京都大学, 医学研究科, 講師 (60263084)
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研究分担者 |
澤崎 嘉男 防衛医科大学校, 医学部, 助教授 (90092410)
岩田 博夫 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (30160120)
山岡 義生 京都大学, 医学研究科, 教授 (90089102)
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キーワード | ハイブリッド型人工肝臓 / ヒト肝細胞培養 / ブタ肝細胞培養 / 機能評価 |
研究概要 |
1) ヒト正常肝細胞の採取、継代培養法の開発。 高濃度コラゲナーゼ・ディスパーゼを使った穿刺灌流法を用いて、少量の手術標本より肝細胞を採取する技術がさらに安定し、正常肝細胞を90%の生存率で採取することが可能となった。また透過型電子顕微鏡によって1ヶ月の長期培養後の形態観察にて、細胞間のJUNCTIONの形成、微細胆管を確認する事が出来、形態的に機能維持している事が確認された。 2) ブタ正常肝細胞の継代培養・大量培養法の開発 新生仔ブタ肝よりコラゲナーゼ灌流法によって肝細胞を採取・精製を行い長期培養を行ったところ、免疫組織法によって1ヶ月後の肝細胞でアルブミンの産生が認められる一方でサイトケラチン19の発現は認めず、肝特異的機能を維持している事が確認された。 3) バイオリアクターの開発・機能評価 蛋白質が透過可能でかつ容量を大きくしたバイオリアクターに初代ブタ肝細胞充填し、ハイブリッド型人工肝として閉鎖灌流系で機能評価を行った。アンモニア、リドカインの代謝クリアランスにおいて蛋白質が透過不可なバイオリアクターと比較して機能維持期間が明らかに短いことが確認された。 今後はヒト肝細胞の長期培養におけるアンモニア等の代謝能、P450活性、アルブミンなどの蛋白合成能、肝細胞特異的な遺伝子発現を検討する予定である。またブタ・ヒト肝細胞の長期・継代培養後のバイオリアクターの機能評価についても、肝不全犬と交差灌流を行い、細胞機能評価、脂質代謝活性、凝固系、肝不全犬の救命率等で機能評価を進める予定である。
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