今日心臓外科の領域において、心筋保護法及び各種の工学的支援により、開心術後の成績は向上しているが、手術患者の高齢化やより重症の患者を手術適応にするようになり、いまだに術後急性の重症心不全に陥る症例は存在する。この術後急性期の心機能を的確に、リアルタイムでモニターするのが、開発中の埋め込み型心エコープローブである。 今回の研究期間では昨年度にひき続き心臓の拍動に、埋め込み型心エコープローブが不整脈などの悪影響を及ぼすかどうかを検討した。いろいろ試作を繰り返し、心臓表面にあててfittingを繰り返した。また、臨床上の大きな問題として同じ埋め込み型心エコープローブを何回も多くの患者に使用するのは、感染防止の観点からも好ましくなく、プロトタイプの使い捨て(ディスポーザプル)の埋め込み型心エコープローブを試作して検討を行った。しかしながら埋め込み型心エコープローブの本体からの微小電流は、これから解決しなければならない問題として残っている。
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