研究課題/領域番号 |
09557112
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
胸部外科学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
梅津 光生 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90132927)
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研究分担者 |
藤本 哲男 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 助教授 (50267473)
川副 浩平 岩手医科大学, 医学部, 教授 (50075561)
北村 信夫 熊本大学, 医学部, 教授 (70075513)
益田 博之 日本コーリン(株), 開発本部長
内山 明彦 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50063615)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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キーワード | 機械式血液循環シミュレータ / 人工血管 / 圧-容積関係 / 特性インビーダンス / Emax / 大動脈モデル / 補助循環 / 心臓ポンプ仕事 |
研究概要 |
本研究は、生体の心機能を模擬した心臓外科の治療支援が行えるような性能を有する、機械式血液循環シミュレータ(Mock Circulatory System;MCS)の開発を最終目的とした。 まず、生体の心機能を把握するため、ヤギを用いた急性動物実験を行い、薬物投与により心収縮力を変化させ、左心室圧-容積関係から収縮性の指標であるEmaxを算出した。このヤギの実験によりコントロール基準時、収縮力増強剤投与時、および収縮力減少剤投与時のEmaxはそれぞれの14.8,25.3,22.2mmHg/mzとなった。その生体心の収縮、拡張能力をMCS上において模擬するため、Emaxと拡張末期圧-容積関係に応じて一回拍出量を変化させる駆動プログラムを製作した。これにより負荷に依存するMCSの左心室ポンプが実現した。さらに、補助循環時においても左心室ポンプは負荷依存性を示すことが確認できた。 次に、人工血管置換時の心臓の血液拍出機能の評価を試みる作業を行った。開発した動脈血管モデル部には人工血管を装着でき、人工血管置換による動脈系の心機能に対する負荷定量化を試みた。まず、イヌを用いた急性動物実験を行い、大動脈弓部から腹部大動脈にかけてバイパスした人工血管と生体大動脈の血流を交互に遮断することにより、心仕事を比較した。生体大動脈に比べて、人工血管内の血流灌流時には、動脈血流の特性インビーダンスは高値を示し、このときの左室の一回拍出ポンプ仕事は増大した。この動物実験系をMCSにて再現したところ両者は極めて類似した傾向を得た。 以上より、今回開発したMCSは心臓外科の治療支援に有用であることが証明でき、人工血管置換のシミュレーションのみならず、大動脈弁置換のシミュレーションなどにも広く応用しうることが判明した。
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