前年度までの科研費によって実施した「定量的蝸牛神経損傷モデル」作成の試みに対して、四年ごとに開催されてきた世界脳神経外科学会総会(第11回、オランダ、アムステルダム、平成9年7月)において学会賞(The Volvo Award for Central Nervous Injury Research)が授与され、世界的評価を得たが、本年度は、本実験システムの精度向上を目指した。すなわち、実験過程のコンピューター制御化に努めたが、特に、神経圧迫子の動作を自動化できたことによって、実験操作が格段に簡略化でき、それに伴って実験精度が向上した。また、同時に、画像解析システムに新たなコンピューター・ソフトを導入したことによって、実験結果の解釈に高度の客観性を持たせることが可能になった。このような実験過程のコンピューター化による自動化は、本科研費によって初めて可能になったことであった。本システムのさらなる精度の向上を目指しつつ、実験検討を進める予定である。
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