研究課題/領域番号 |
09557120
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
生塩 之敬 熊本大学, 医学部, 教授 (20028583)
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研究分担者 |
西 徹 熊本大学, 医学部・附属病院, 助手 (00264309)
河内 正人 熊本大学, 医学部, 助教授 (70178218)
倉津 純一 鹿児島大学, 医学部, 教授 (20145296)
中野 眞帆 熊本大学, 医学部・附属病院, 教授 (40002125)
佐谷 秀行 熊本大学, 医学部, 教授 (80264282)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | invasin / マイクロスフィアー / 抗癌剤 / GST融合蛋白 |
研究概要 |
1. Invasinに関する基礎的研究 invasinのアミノ端側にglutathione-S-transferase(GST)を融合したGST-invasin融合蛋白質を大腸菌にて大量に作成することに成功し、この蛋白が十分に活性を有していることを確認した。この点はinvasinのカルボキシル基末端が受容体との結合に必須である事実と一致する。C末の192アミノ酸からなる単一ドメインが細胞への接着、侵入に必要とされているが、invasinの各種欠失変異体を含む融合蛋白も作成し、細胞内侵入のために必要最低限のinvasin部分蛋白も同定した。この部分蛋白をGST-fusion蛋白として作成・精製した。これをポリマーもしくはモノマーの形でヒト線維芽細胞や悪性グリオーマ細胞の培養液中に加えて、細胞内への侵入の状態を観察した。この時に、integrinbの会合が必須であることが明らかとなった。また、この系に細胞骨格の重合を変化させる各種薬物を加えてその影響を観察したところ、アクチンの重合と微小管の集合がinvasinによって誘導される細胞貪食作用の制御にかかわることが明らかとなった。 2. Invasin付加可能なマイクロスフィアーの開発 invasin蛋白は単体ではその活性を発現出来ず、多量体として受容体へ結合することが必要である。そのため、溶液中にinvasin融合蛋白と薬剤を混在させても細胞内への導入は期待できない。そこで、抗癌剤含有マイクロスフィアーにGST-invasinを結合させることにより、悪性細胞内へあるいは悪性細胞周囲へ高濃度のかつ長時間の抗癌剤導入を試みる事を計画した。導入を期待する分子(薬剤・遺伝子)を含む固形成分にinvasin融合蛋白を多数結合させた形にすることによって、分子の細胞内導入が可能となる。上記GST-invasinを付加することが出来る生体高分子をデータベースから検索した結果、ポリデプシペプチドが生分解性を示しなから、アミノ基またはカルボキシル基を有することが確認された。まず、難水溶性抗癌剤の封入したマイクロスフィアを開発する基礎実験として、生体内分解高分子であるポリ乳酸を用いて難水溶性テオフィリンを含むマイクロスフィアの作成に成功した。封入効率も上昇し、徐放性も得られた。この手法を応用してポリデプシペプチドを用いて抗癌剤含有マイクロスフィアーを作成する方法もほぼ完成した。このマイクロスフィアーとグルタチオンを反応させてGST蛋白と結合可能なスフィアーを作成する条件を決定しつつある。
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