研究課題/領域番号 |
09557127
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
麻酔・蘇生学
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
前田 浩 熊本大学, 医学部, 教授 (90004613)
|
研究分担者 |
澤 智裕 熊本大学, 医学部, 助手 (30284756)
赤池 孝章 熊本大学, 医学部, 助教授 (20231798)
|
研究期間 (年度) |
1997 – 1999
|
キーワード | NO / エンドトキシンショック / NO消去剤 / ニトロソα1-プロテアーゼインヒビター / 抗ショック剤 / anti-apoptosis / anti-oxidant |
研究概要 |
NO消去剤PTIOは、ラットのエンドトキシンショックモデルのみならず、マウスコクサッキーウイルス心筋炎モデルやラットの臓器移植後の拒絶反応モデルなど過剰なNO産生が関わる様々な病態において、治療効果を発揮することがわかった。また、PTIOをリポソーム化することで、NO消去剤としての薬剤が著明に改善することも明らかとなった。 一方、我々はヒト血中に多量に含まれる好中球エラスターゼなどに対するプロテアーゼインヒビターであるα1-プロテアーゼインヒビター(α1-PI)を、ニトロソ化(NO付加反応)することで、非常に安定なα1-PIのニトロソ化合物を作製できることを見出した。このニトロソ化α1-PIは、ニトロソ(NO)供与体として、NOの本来有する血流維持作用のみならず、様々な細菌に対して抗菌活性を発揮し、さらには抗アポトーシス活性も有している。実際、ニトロソα1-PIは、ラット肝臓の虚血再灌流障害モデルにおいて、その抗酸化・抗好中球作用、および抗アポトーシス活性を介して著明な臓器保護作用を発現することが確認された。これらの知見より、各種ショック病態において、NO消去剤のPTIOやユニークなNO供与体であるニトロソα1-PIを巧みに組み合わせることにより、NOの二面的な病態・生理活性を制御し、ショック病態における多臓器不全の治療を試みることが可能であることが示唆された。
|