研究概要 |
1,バーチャルリアリティー、マイクロマシンの軽量化:ヘッドマウントギアは重く、外景を見る場合ヘッドマウントの下方からのぞき見るようになっているため、視野が狭く操作性が悪い。良い視野を得るための工学系の改良および内景と外景の切り替えがフットスイッチで行える機器を検討中である。また、ヘッドマウントギアの重量が術者の頭頚部に与える影響については、前後、左右の重量バランスをとったことにより、負担はかなり軽減された。 2,内視鏡下手術のデジタルビデオの作成:後腹膜腔鏡下副腎摘除術を8mmビデオに収録し、ビデオキューブを用いてコンピューターにデジタル入力し、手術のビデオを作成した。日本内視鏡外科学会において3-Dカメラおよびビデオキューブを用いたデジタルビデオ編集の有用性について報告した。 3,ロボティックエンドサージャリー用手術器具の開発:1本のプローベで把持、切開、高周波機能、注水、吸引が行える多機能内視鏡鉗子を設計検討中である。吸引装置については、従来の手術室に常備してある吸引装置を用いることにより、安価で、容易に吸引操作が行えるようになった。 4,動物実験:犬を用いて腹腔鏡下腎摘除術を行い、内視鏡鉗子の操作性などについて検討した。 5,臨床応用:実験結果を踏まえて、副腎腫瘍の患者に対して3-D光学視管を使用し、ヘッドマウントギアを装着して、後腹膜腔鏡下副腎摘除術を施行し、機器の性能、手技の安全性、術者の疲労度などを検討した。立体画像は手技を容易にする反面、光量が弱くなる、光学視管が太く重い、デジタルビデオ編集がやりにくいなどの欠点が明らかになった。スコープホルダーの併用、メガネ不要の3-Dモニター(液晶モニター)の開発などを検討中である。 6,今後、編集したビデオテープ、ヘッドマウントギアを用いて、腹腔鏡下手術のバーチャルリアリティーでのシミュレーションを計画している。
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