研究課題/領域番号 |
09557132
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
加藤 秀則 九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (60214392)
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研究分担者 |
和氣 徳夫 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50158606)
松田 貴雄 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (10304825)
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キーワード | 子宮内膜癌抑制遺伝子 / テロメア / D1S225-459 / 748H11 / ヒト1番染色体 / chromosome pulverization |
研究概要 |
前年度で絞り込まれた領域をさらに特定するためにテロメアー繰り返し配列をもったベクターにとSTSマーカーをプライマーとして増幅したDNA断片(5〜10Kb)を組み込み、ヒト1番染色体にターゲッティングすることにより、特定のSTSマーカーより遠位側の欠失をもった1番染色体断片を作製し(Tel-STFs)、これらをHHUAへ移入し増殖ないしテロメレースの変化を分析する試みを行った。結果としては有用なTel-STFsは少数しか得られず、今後の検討課題としてa)テロメアー繰り返し配列の効果的な長さは1Kbでよいのか否か b)homologous recombinationの頻度の高いchikenDT40等の細胞にヒト1番染色体を導入したうえでターゲッティングを行い効率を上げる、等を行うこととした。Chromosome pulverizationに関して基礎的検討ではpulverizationを起こした後のA9細胞などへのキャリアー細胞への移入が効率良く行えず、この点をひきつづき検討することとした。この遺伝子座領域をさらに限局する他の方法として、内膜癌症例60例の検体を用いて、1q32-41内のSTSマーカーにより、ヘテロ接合性消失の検討を行った。D1S459-225の1Mb以下の領域に60%以上の頻度でLOHが観察され、子宮内膜癌抑制遺伝子は、このD1S459〜225の領域に存在することが明らかとなった。この領域は1Mb以下であり遺伝子クローニングが可能なところまで狭小化に成功した。次のステップとして、D1S459及び225陽性YACクローンをGenethon社から得、YACコンティグの決定を行った。これによりキメラ化していずD1S459及び225陽性YACクローンとして748H11を得た。748H11ベクターのURA領域に、G418耐性遺伝子を組み込み耐性マーカーをつけたべクターをHHUAにスフェロブラスト化とポリエチレングリコールによる細胞融合を用いて導入し、細胞死誘導活性を検討した結果79%の細胞クローンに細胞死が誘導された。さらに既存のBACライブラリーをスクリーニングし、748H11に含まれるBACクローンを得、同様にHHUAに導入すると、そのひとつにより、やはり同程度に細胞死が誘導された。
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