医療における三次元画像のより有効な応用を目的として、頭蓋内手術におけるイメージガイド下手術を確率を中頭蓋窩法における内耳道同定法を例として検討した。 (1)CTのボリュームデータから実際の手術に必要な手術構造物の抽出を行った。抽出に際しては、閾値の変更、不要な構造物の除去の二つを基本とした。この結果・側頭骨全体の構造を表す至適ハンスフィールド値、・半規管の構造を表す至適ハンスフィールド値、・内耳道内容物すなわち腫瘍とさらには頸動脈、頚静脈球を描出する至適ハンスフィールド値ならびにその際のクリップ条件について検討し、これらの構造物を再構築する事が可能となる、手法ならびに条件を決定できた。 (2)これら画像下において、手術シュミレーションを行い、腫瘍摘出においてもっとも安全なルート決定を三次元画像上でルーチンに行うことに成功した。 (3)これらの画像の実際の手術における有用性を聴神経腫瘍摘出術20例について検討し、きわめて有効な手法であることを確認した。 (4)三次元画像構築ワークステーションを手術室にて操作し、実際の手術術野とリアルタイムで合わせ、より正確な手術腫瘍の確立した。 (5)これらの検討により、手術における組織構造物の位置関係を解剖学的な計測手法を用いて、頻度や統計から手術ルート等を検討することが、これまでの手術手法であるが、それとは全く別の手法、すなわち各症例ごとの解剖学的データをそのまま手術に適応するという、直接的であり、より安全で確実な方法の確立がなされた。 以上の研究成果について、第2回Minimally lnvasive techniqus and lmaqe Guided Surqery in ENT and SKull Base Surqery(Toulouse-France)にて発表した。
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