研究分担者 |
辻 純 京都大学, 医学研究科, 助手 (30252448)
庄司 和彦 京都大学, 医学研究科, 講師 (60196582)
内藤 泰 京都大学, 医学研究科, 講師 (70217628)
高橋 晴雄 京都大学, 医学研究科, 講師 (90171511)
児嶋 久剛 京都大学, 医学研究科, 助教授 (10127079)
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研究概要 |
本年度は、脳機能画像を用いて言語の認知と表出の相互関係を調べた。その結果,言語機能の確立した健常者では,通常の発話時にブローカ野,運動野,捕捉運動野,小脳の活動を認めたが,自分の声を分析する聴覚連合野の活動は抑制されていた.これは発話という脳のモードでは聴覚フィードバックは不要であり,プログラム化された構音運動を自動的に随時行っているものと考えられた.ところが,自分の声を歪ませて聞かせると,聴覚連合野の活動が始まり,同時に捕捉運動野の活動が抑制された.予期せぬ声が聞こえてくると聴覚フィードバックがかかりこれを補正するように働くものと考えられた.捕捉運動野は運動のプログラムを司るところであり,聴覚フィードバックがかかるとこのプログラムはキャンセルされ,書き直される可能性が示された.これはまさに言語の学習機能を反映するものといえる.実際,人工内耳患者が発話している時の脳機能をみると,聴覚連合野の活動亢進が観察され,人口内耳を介した新しい言語音の学習を行っていることが確認された.言語の認知と表出は不可分の関係にあり,その脳神経機構をほぼ解明できたと考える.これは聴覚・言語障害の治療を考える上でも重要な資料になると考えられる.
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