研究課題/領域番号 |
09557140
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
山口 朗 昭和大学, 歯学部, 助教授 (00142430)
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研究分担者 |
片岡 裕子 昭和大学, 歯学部, 助手 (60286846)
小林 誠 昭和大学, 歯学部, 講師 (80186767)
大野 康亮 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30112725)
阪本 桂造 昭和大学, 歯学部, 教授 (50119195)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1998
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キーワード | 骨再生 / BMP / 骨形成 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
Uristは脱灰骨基質中に異所性骨形成を誘導する蛋白性因子をBone morphogenetic protein(BMP)と命名した(1971年)。この発見は筋肉内や皮下組織にはBMPに応答して骨芽細胞へ分化できる細胞が存在していることを示している。その後、1988年にヒトBMP cDNAがクローニングされ、現在までに15種類以上のBMP遺伝子がクローニングされており、遺伝子組み替え型のヒトBMP(recombinant human BMP:rhBMP)も作製されている。さらに、最近BMP受容体の遺伝子もクローニングされ、BMPの作用メカニズムも明らかにされつつある。我々は種々の培養細胞を用いて骨格を構成する間葉系細胞の分化過程におけるBMP-2の役割を解析してきた。本研究ではこれらの経験をいかして、効率よい骨再生法を開発することを目的として種々の実験を行い、以下の結果を得た。 1) 骨組織および骨由来の初代培養細胞ではBMP受容体IA,IB,IIが発現していることがin situ hybridization法および免疫組織化学的検索で確認できた。 2) 種々の培養細胞を用いてBMP-2の作用を検討したところ、BMP-2によって誘導される骨芽細胞への分化能は各細胞株によって異なることが明かとなった。 3) ヒトの骨、皮膚に由来する初代培養細胞もBMP-2によって骨芽細胞へ分化する可能性が示峻された。 4) 骨欠損部をBMP-2で修復する場合にBMP-2のキャリアーに骨原性細胞を混ぜて移植するとより効率良く骨再生が進行することが明かとなった。 5) BMP受容体IAに対する抗体の作成を試みたが、特異的な抗体を得ることが困難であった。 以上の結果より、BMPは骨再生を促す強力な因子で、移植時に骨原性細胞を同時に移植すると効率良い骨再生が怒ることが明かとなった。また、本研究の培養実験からヒトの細胞でも同様な方法が有効であることが示竣された。
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