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1999 年度 実績報告書

ヘッジホッグ蛋白の硬組織誘導および修復因子としての実用化の試み

研究課題

研究課題/領域番号 09557145
研究機関大阪大学

研究代表者

岩本 資己  大阪大学, 歯学部, 講師 (80203644)

研究分担者 樋口 義信  中外製薬株式会社, 研究員
山口 朗  長崎大学, 歯学部, 教授 (00142430)
岩本 容泰  大阪大学, 歯学部, 講師 (30223431)
キーワードヘッジホッグ / 軟骨前駆細胞 / 骨原性細胞 / BMP / 硬組織修復
研究概要

ヘッジホッグ(hedgehog;hh)ファミリーは、形態形成の鍵として注目されている一群の蛋白因子である。骨格形成においてもShh(Sonic hcdgehog)およびIhh(Indian hedgehog)の間接的関与が報告されている。Shhは前後軸決定因子としてだけでなく、BMP、FGFを介して軟骨原基の形成速度調節にかかわることが明らかになっている。また、Ihhは肥大軟骨細胞層で発現し、PTHrpを介して軟骨細胞の石灰化を抑制することにより、長管骨の伸張速度を調節していることが示唆されている。本研究においては1)硬組織形成におけるヘッジホッグ蛋白の作用機構を解析し、その生理学的意義の解明を行うとともに2)ヘッジホッグ蛋白の硬組織修復因子としての実用化を検討した。
その結果、Shhのリコンビナント標品(rShh-N)単独では軟骨・骨の形成はほとんど誘導されないが、BMP-2と同時に投与すると異所性内軟骨性骨化が誘導されることが判明した。さらに、その作用はBMP-2単独と比較して強力であった。また、硬組織欠損修復作用についても、rShh-N単独では作用は非常に弱いが、BMP-2の作用を著明に増強することが判明した。一方、rShh-Nは軟骨前駆細胞に直接作用し、その分化を促進すること、また、その作用はBMP-2の存在により強力に促進されることが判明した。つまり、rshh-NはBMP-2と共同して、軟骨原性および骨原性細胞の分化を促進し、異所性内軟骨性骨化の誘導を行うことが明らかになった。IhhもShh-Nと同様の作用を保持していた。
以上の結果は、ヘッジホッグ蛋白はBMPとの併用により、硬組織修復因子となる可能性を示唆する。また、骨格発生において、ヘッジホッグ蛋白はBMPなどの因子と共同で、軟骨前駆細胞の分化を制御していることも示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] A. Jikko: "The role of hepatocyte growth factor in growth plate cartilage"J. Bone Miner. Metab.. 16. 170-177 (1999)

  • [文献書誌] K. Imanaka-Yoshida: "Vinculin,talin, integrin a6b1 laminin can serve as components of at attachment complex mediating contraction force transmission from cardiomyocytes to extracellular matrix"Cell Motil Cytoskel.. 42. 1-11 (1999)

  • [文献書誌] Yagami, K.: "Matrix GLA protein is a developmental regulator of chondrocyte mineralization and, when constitutively expressed, blocks endochondral and intramembranous ossification in the limb"J. Cell Biol.. 147. 1097-1108 (1999)

  • [文献書誌] M. Iwamoto: "Actions of Hedgehog Proteins on skeletal cells"Crit. Rev. Oral. Biol. Med.,. 10. 1097-1108 (1999)

  • [文献書誌] Enomoto, H.: "Cbfa-1 is a positive regulatory factor in chondrocyte maturation"J. Biol. Chem.. (印刷中). (2000)

  • [文献書誌] 岩本資己: "軟骨の発生と再生"実験医学. (印刷中). (2000)

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公開日: 2001-10-23   更新日: 2016-04-21  

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