研究概要 |
本研究では高精細な口内法フィルム画像特性を損なうことなく、自動的にディジタル化し、画像情報のデータベース化によってPACSに取り込み、オンライン配信を可能にするシステムを確立することを目的とした。この様な目的には、全自動的なディジタル化と電子的保管システムが必要であり、本研究ではそのシステムを試作した。本システムの機能は以下のとおりである。 1)撮影済みの口内法フィルムパックを自動的に開封し、現像・定着の写真処理を行い、直ちにレーザースキャナーで読みとる。 2)画像情報と患者情報との対応を自動的に付ける。 3)画像処理ワークステイションで、オーダリングシステムから送られた患者情報と画像情報とを結合させファイリングする。 4)DICOM3.0に準拠したプロトコルで、画像表示・検索・転送を行う。 5)必要に応じた画像処理、画像計測が可能である。 プロトタイプ機の性能はおおむね良好で、レーザースキャナーによる読み取り階調度は8,10,12bitの3段階、サンプリングピッチは40,80,160μmの3段階切り替えが可能である。また患者IDカードのデータと画像データとの結合、撮影部位の同定、撮影オーダリングシステムとデータとの照合をDICOM3.Oに基づいて自動的に行うソフトウエアを開発した。口内法画像は患者毎に16枚までの画像を読み取り、部位情報を画像毎に付けてサーバーに転送する方式である。部位情報の入力画面、画像表示配列は良好で、今後臨床実証試験を経て実用化を図りたい。
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