研究課題/領域番号 |
09557162
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
森 正次 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (90272608)
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研究分担者 |
立川 敬子 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70236537)
朝比奈 泉 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (30221039)
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キーワード | 顎骨欠損 / rh BMP-2 / 辺縁切除 / PGS / 区域切除 / 3次元CT / pQCT / 人工歯根 |
研究概要 |
これまで我々はイヌ下顎骨に顎骨嚢胞を想定した顎骨欠損を作製し、ポリ乳酸ポリグリコール酸の共重合体を担体としてrhBMP-2を適用し、骨欠損の補填に有用であることを見いだし、学会などで報告してきた。この流れから、口腔外科の臨床に即したより大きな顎骨欠損を作製し顎骨の再建まで可能であるかどうかをイヌを用いて実験を試みた。 まず抜歯後のイヌ下顎骨に15×8×7mmの辺縁切除を行い、ここにスポンジ状の担体(PGS)のみ、あるいはBMPを含む担体を填入して骨組織の再生について検討した。 続いて下顎骨に幅20mmの区域切除を行い、ここにチタンミニプレートを併用してBMPを用い顎骨再建を行った。 その結果骨組織の新生は術後2週目頃より経時的に増加し、顎骨切除後約8週ではX線的にはほとんど骨欠損部は不透過像で占められた。3次元CTの所見では、術後8週頃までは形成された新生骨で欠損部周囲の骨の表面は凹凸があり不正であるが、術後16週頃になると骨のリモデリングが進み骨の表面は滑らかになり、本来の下顎骨の形態に近づくことが観察された。さらにpQCTを用いて形成された骨組織の性質を調べたところ、辺縁切除では術後12週、区域切除では術後16週でほぼ再生された骨組織の骨密度は本来の母床骨(皮質骨)の骨密度に等しくなった。 以上のことより、BMPは顎骨切除のような口腔内の大きな骨欠損でも術後12週-16週で本来の組織にかなり近い骨組織を再生することが確認された。 現在はイヌ下顎骨に再生された骨組織に人工歯根を植立することができるかどうか検索するとともに、より大きな動物(サル)での実験にもとりかかっている。
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