研究課題/領域番号 |
09557164
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 展開研究 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
新垣 晋 新潟大学, 歯学部, 助教授 (30134943)
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研究分担者 |
伊藤 将広 新潟大学, 歯学部, 助手 (40313522)
高田 真仁 新潟大学, 歯学部, 助手 (10251828)
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研究期間 (年度) |
1997 – 2000
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キーワード | 癌骨転移 / 癌骨侵潤 / 破骨細胞 / Bisphosphonates / アポトーシス / ALPase / 免疫組織化学 / 形態学 |
研究概要 |
悪性腫瘍の骨転移、骨浸潤のメカニズムについて微細構造学的に検索を行い、原発巣骨浸潤動物モデルにおいて、腫瘍塊周囲の間質細胞はALPase陽性で、骨表面、間質中には多数の破骨細胞が局在していることがわかった。また、腫瘍の産生するPTHrPが周囲の間質細胞のPTHレセプターを介して破骨細胞の分化誘導、活性化などに関与していることが示唆された。また骨転移動物モデルにおいて、腫瘍は血管新生因子VEGFを強く産生し、CD31陽性微小血管を多数誘導し、RANKL陽性間質細胞中にTRAP陽性破骨細胞が見られたことから、VEGFによる腫瘍の増殖、破骨細胞の誘導、RANKLを介した破骨細胞の分化と活性化に関与していることが示唆された。さらに、骨吸収抑制剤Bisphosphonate(BP)は、骨破壊の原因である破骨細胞の数と血管数を有為に減少させた。悪性腫瘍による異常な骨形成にはALPが重要な役割をしていると考えられるが、骨病変を引き起こす変異ALPのタンパク合成について分子生物学的、形態学的に検索を行い、タンパクは合成されているものの酵素活性を示さず、ゴルジ体に貯留していることが示唆された。また、破骨細胞は腫瘍による骨吸収などにおいても骨破壊の中心であるが、その細胞死について微細構造学的に検索を行い、特徴的な形態変化、つまり波状縁の消失に伴い骨基質から離れて丸みを帯び、細胞膜表面に微絨毛構造の形成、細胞質内においては多数の小胞形成、ゴルジ体のdegradation、小胞体の極性の喪失、核クロマチンの偏在化や凝集、核同士の癒合や破壊などを起こし、マクロファージに処理されるか血管へ侵入し脾臓などで処理されることを明らかにした。さらに、BPsの破骨細胞に対するメカニズムを解明するため、波状縁を持たない破骨細胞を有する大理石骨病マウスを用いて検索し、波状縁を介さない経路もあることを明らかにした。
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