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1998 年度 実績報告書

デンタルプラークへの歯周病原性菌の定着を阻害するペプチドの開発

研究課題

研究課題/領域番号 09557175
研究機関大阪大学

研究代表者

雫石 聰  大阪大学, 歯学部, 教授 (00028789)

研究分担者 片岡 宏介  大阪大学, 歯学部, 助手 (50283792)
永田 英樹  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50260641)
天野 敦雄  大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (50193024)
キーワード歯周病原性菌 / Porphyromonas gingivalis / 線毛 / 共凝集 / Streptococcus oralis / proline-rich protein / statherin / 結合
研究概要

我々のこれまでの研究から有力な歯周病原性菌Porphyromonas gingivalis線毛と特異的に結合する唾液成分である酸性高プロリンタンパク質(acidic proline-rich proteins,以下PRPと略す)の線毛結合領域は,同唾液タンパク質のカルボキシル末端に存在するアミノ酸5残基(PQGPPQ)よりなることが明らかとされている.本研究では,同領域を含むPRPのカルボキシル末端21残基の合成ペプチド(アミノ酸配列:PQGPPPQGGRPQGPPQGQSPQ)を用いて線毛と唾液タンパク質の相互作用に及ぼす影響を調べた.その結果,同ペプチド(以下,pepPRP-Cと略す)はハイドロキシアパタイトビーズやポリスチレンプレートにコーティングしたPRPと線毛の結合をほぼ完全に阻害するほか,塩基性高プロリン糖タンパク質(basic proline-rich glyco-proteins,以下PRGと略す)と線毛の結合をも強く阻害した.また,West-Western assayの結果,pepPRP-Cは多数のPRGとPRPのアイソマーへの線毛の結合も阻害した.さらに本ペプチドはP.gingialisと多数の連鎖球菌種との共凝集に対しても顕著な凝集阻害能を示し,P.gingivalisのデンタルプラークへの定着を抑制する作用が期待されることが示された.
続いて口腔疾患予防の方法論のひとつとして提唱されている遺伝子工学的リプレイスメントセラピーのモデルの構築を試みた.Streptococcus gordoniiにpepPRP-Cをコードする遺伝子を挿入したシャトルベクターを導入し,形質転換S.gordoniiからpepPRP-Cを培養上清中に分泌させた.この培養上清にはP.gingivalis菌体及び線毛のPRP1への結合を72%及び77%阻害した.さらに,この培養上清を用いて、P.gingivalisと数種の口腔レンサ球菌との共凝集抑制実験を行ったところ、44-81%の抑制効果を認めた.以上のように,リプレイスメントセラピーへのpepPRP-Cの応用の可能性が示された.

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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