研究分担者 |
門田 重利 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (90115163)
済木 育夫 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (80133776)
渡邊 裕司 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 教授 (10012642)
小松 かつ子 富山医科薬科大学, 和漢薬研究所, 助教授 (50225570)
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研究概要 |
1.附子の成分アコニチンが腸内細菌の作用で,リポアコニチンに変換されることを見出した。 このリポアコニチンの脂肪酸組成は腸内細菌の菌種によって異なることを明らかにした。代表的リポアコニチン2種を合成し,その侵害受容効果をアコニチンと比較検討した。 2.SH基を含む化合物の共存下,芍薬成分であるペオニフロリンを腸内細菌によって代謝させるとチオエーテルを含む付加体が生成する。この付加体17種を同方法により合成し,抗ケイレン作用を調べた。その結果これら付加体には強い抗ケイレン作用があり,7S-体がその作用本体であることを見出し,7R-体には弛緩作用があることが判明した。 3.薬用人参に含まれるジンセノシドRb1,Rb2,Rcは癌転移を抑制するが,この活性成分は腸内細菌により糖が一部はずれた化合物であることを明らかにした。 この代謝物は(20S)-protopanaxadiol 20-0-glucosideであり,癌細胞のアポトーシスを誘導することを明らかにした。 4.大黄成分センノシドの瀉下作用は腸内細菌による代謝・活性化が関与しているが,同様に含まれるレインをレインアンスロン(瀉下物質)に変換する腸内細菌株の単離,同定に成功した。 このことからレイン誘導体を瀉下薬として利用することも可能であることを結論した。
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