研究課題/領域番号 |
09557181
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
落合 正仁 徳島大学, 薬学部, 教授 (50127065)
|
研究分担者 |
大野 左千雄 マルコ製薬株式会社, 創薬研究所, 所長
渋谷 雅之 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027066)
|
キーワード | 超原子価化合物 / 有機ヨウ素化合物 / 抗真菌活性 / アルキニルヨーダン / アルケニルヨーダン / DNA切断活性 |
研究概要 |
超原子価アルキニルヨードニウム塩やアルケニルヨードニウム塩の抗菌活性を調べ、化学構造と活性の相関を基盤とする、新しい抗真菌剤の分子設計を実施して、抗真菌化学療法剤を開発することが目的である。本年度は、分子内に炭素-炭素2重結合を有する超原子価アルケニルヨードニウム塩を合成して、その抗菌活性を調べた。種々のアルケニルヨードニウム塩の中で、直鎖のオクチル基を有するアルケニルヨードニウム塩が白癬菌や Microsporumに対してアゾール系抗真菌剤であるketoconazoleに勝るとも劣らない活性を示すことを見出した。ただし、酵母およびAspergillusに対する杭菌活性は弱かった。β位に酵素置換基を有するエノールラクトン系アルケニルヨードニウム塩の抗菌力は、糸状菌のTrichophytonとMicrosporumに対してそのMICが100μg/mlと弱いものであり、酵母に対しては抗菌力は認められなかった。β位にベンゼンスルホニル基を有するアルケニルヨードニウム塩は、糸状菌のTrichophytonとMicrosporumに対して中程度の抗菌力を示した。超原子価ヨウ素原子上の配位子の効果についても種々検討したところ、パラトルエンスルホニルオキシ基がBF_4と比較して、同等の抗菌活性を示すことも明かとなった。以上のように、強い抗菌活性を示すアルキニルヨードニウム塩やアルケニルヨードニウム塩を見出すことができたので、マウス実験的カンジダ感染モデルを用いて実施する11年度のin vivo抗菌力試験が大いに期待される。 アルキニルヨーダンのDNA切断活性についても検討した。切断強度の測定には超螺旋構造を持つプラスミドCoI EI DNAを用い、プラスミドDNAの構造変化を観測できる電気泳動法で測定した。
|