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1998 年度 実績報告書

新しい作用機序に基づく新規抗炎症・抗リウマチ剤の開発

研究課題

研究課題/領域番号 09557182
研究機関徳島大学

研究代表者

桑原 淳  徳島大学, 薬学部, 助教授 (90225318)

研究分担者 田中 洋和  藤沢薬品工業株式会社, 新薬研究所, 主任研究員
キーワードiNOS / NO / Benzoquinone / Vitamin K3
研究概要

一酸化窒素NOは,重要な情報伝達物質である一方,NOの産生過剰は種々の疾患の原因となり,特に免疫応答並びに慢性関節リウマチを含む炎症反応のメディエーターとしても働いている.申請者らは既にニシキギ科植物クロヅル由来のTriptoquinoneA(TQA)がデキサメサゾンに匹敵する誘導型NO合成酵素(iNOS)遺伝子発現抑制作用を有することを明らかにしている.そこで,TQAがその構造内にquinone骨格を有することに着目し,benzoquinone(BQ)をはじめとするいくつかのquinone誘導体についてNO産生とiNOS遺伝子発現に対する効果を検討した.その結果,BQはLPS/interferon-γの刺激で誘導されるNOの産生を強く抑制した.しかも,その2電子還元体であるHydroquinoneやCatecholにも同様の強いiNOS阻害が見られた.一方,驚いたことに,naphtoquinone誘導体であるVitamin K3(VK3)は,NOの産生を逆に顕著に増強した.さらにこれらの効果はiNOS mRNAの発現量やそれを制御する転写因子NF-κBのp65サブユニットの核移行量ともきれいな相関関係にあることを突き止めた.即ち,quinone骨格はNF-κBを制御することでiNOSの活性を正負両方向に制御でき,その差異はより上流で起こっていることを示唆した.これらの知見はiNOS遺伝子の発現という新しい指標を基にした,より毒性の低い新規抗炎症薬の開発にプロトタイプを提供するものと思われる.また抗癌剤cisplatinの重篤な副作用である腎傷害の発症機構にiNOSによるNOの産生が深く関与していることをラットを用いたin vivo実験により証明した.このことはこれまで対症療法的な措置しかとれなかったcisplatin腎障害に対してより合理的な毒性軽減策を提供する.

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Niwa,M.,et al.: "Benzoquinones Inhibit the Expression of Inducible Nitric Oxide Synthase Gene" Biochem.Biophys.Res.Commun.239. 367-371 (1997)

  • [文献書誌] Tsutsumishita,Y.,et al.: "Involvement of H_2O_2 Production in Cisplatin-Induced Nephrotoxicity" Biochem.Biophys.Res.Commun.242. 310-312 (1998)

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公開日: 1999-12-13   更新日: 2016-04-21  

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