研究概要 |
茜草根(Rubia cordifoliaの根)より得られた抗腫瘍活性環状へキサペプチドRA-VIIの活性発現に必須である特徴的な14員環イソジチロシン部分とβ-ターンを固定した各種テトラペプチド類を縮合・環化した新規RA類の誘導体作成と活性評価を行い,活性発現部位のトポロジー解明に努めた。また,活性発現部位として重要なTyr-3残基のトポロジーを決定する要素として18員環の配座構造が重要となることより、各アラニン分子が配座構造におよぼす影響を明らかにすべく、RA-VIIの各アラニン分子のメチル基を水素分子で置換した[Gly-1]RA-VII,[Gly-2]RA-VII及び[Gly-4]RA-VIIを合成した。さらに、活性発現部位の特定とそのトポロジーを解明すべく、各アラニン分子をβ-アラニンで置換した19員環構造を有する[β-Ala-1]RA-VII,[β-Ala-2]RA-VII及び[β-Ala-4]RA-VIIを合成した。これらについて、マウス白血病細胞P-388に対するMTTアッセイ法による細胞毒性を評価し、NOESY、ROESYスペクトルを用いた配座構造-活性相関研究を行った。 他の新規生理活性ペプチド類の探索研究では前年度に引き続き,亜麻仁Linum usitatissimum種子の新規環状ペプチド類と関連環状ペプチド類の免疫抑制活性データを構築しすることができた。その他,Citrus属植物果皮に含有される生理活性環状ペプチド類を中心に詳細な成分検索を行い,新規リード化合物となり得る環状ペプチド類の発見に努めた。
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